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35


「沢田はおりますか?」


ある日の授業中。3年である了平が1−Aのクラスに、いつもとは違った神妙な顔つきで入ってきた。


「ボ…ボクシング部の笹川じゃないか。授業中に何か用か?」
「はい。実は話はおとといにさかのぼ……いや、おとつい……?おととい?ええいまどろっこしい!!沢田を出せ!!」


……やっぱりいつもの了平だった。



了平はツナを外に連れ出して、最近並盛で道場破りが頻発していることを伝えた。
つまり、その道場破りを返り討ちにしてほしいとのことだ。
もちろんそんなことツナがやりたがるわけがないのだが……京子の兄である了平の頼みは断りきれなかった。

ちなみに、ツナが連れて行かれるとき名前もついていこうとしたが、そのときは日本史の授業の真っ最中。
名前は悩みに悩んだ末、日本史の授業(あと30分)を受けてから後を追うことにしたらしい。













「アメ〜〜!」
「(泣きにきてるよ!!)」
「あらら、ランボくんどうしたの?」
「名前さん!」


それから30分後。約束通り名前はツナ達のあとを追って並盛道場に到着した。場所はリボーンに教えてもらったらしい。
そこではちょうどランボがアメを砕いて泣いて、イーピンが了平に捕まったところだった。
名前にはいまいち状況がつかめなかったが、とりあえず泣き喚くランボをあやすように抱っこした。


「ごめんね、今アメ持ってないの。」
「うわあぁああ」
「おいランボ、あんまり名前さんに甘えるなよ。」
「いいんですよー、綱吉さん。」
「ううう…」


泣き喚くランボはついに10年バズーカをとりだして自分と、それからイーピンに向かって発射させた。


「わわっ…」
「やれやれ、フロそうじの最中に…」


抱っこしていたランボが急に大きくなったので、名前は反射的に手を離した。
煙からは水に濡れたモップを持った大人ランボが見えた。


「あり…?こたつと参考書どこいったんかなー?」


そしてその向かいからは勉強中だったのか、眼鏡をかけて鉛筆を持った大人イーピンの姿が。


「わー、イーピンちゃん美人さんになるんだねー!」
「名前さん!やだなー、お世辞言っても何も出ませんよ〜。」
「いやいや本当綺麗になってー!」
「なんだ?貴様は…?あの子供はどこへ行った!!?」
「あり?笹川の兄さんがなんでうちに…?目〜きてんのかな…。」
「逃げるとは卑怯だぞ!!でてこんかデコピン!」


名前は大人イーピンと和やかに話を交わすが、了平にはさっきまで捕まえていたイーピンが急にいなくなってしまって多少とまどっているようだ。
ランボのせいで話がこんがらがってきて、ツナは頭を抱えた。


「おーおー、ザコどもがおたわむれで。」
「どーもー道場破りでーす。」


そんなところに現れたのが道場破り。3人組のガラが悪そうな男達だ。
てっきりイーピンが道場破りの正体かと思っていたが、どうやら今までのも全部この男達がやっていたらしい。


「やれやれ。ムカツク連中だな。」
「ランボ!?」
「次にこの角が瞬く時、お前達の命は――…」
「どけモヤシ。」
「ぶっ!」
「ランボくん!」


せっかくかっこよくキメたランボだが、大柄の男に片手でのされてしまった。


「貴様らは格闘家の風上にもおけん!!この笹川了平が成敗してくれる!!」


ランボが倒れたあと、了平が続く。
自慢のパンチを繰り出していい勝負をするが、流石に3人相手では分が悪い。背後からの攻撃によって倒れてしまった。


「これ何の集まりでしたっけ?あたし気づいたらここにいたんだよね。」
「えーと、だとう道場やぶりの会……ですよね!」
「いや、ですよねって言われても…。っていうかまずいよ今出てきたら!」


ランボも了平もやられて焦るツナに対して、イーピンと名前は空気の流れるスピードが違う。


「道場の娘か。」
「すげーカワイイな、おい。」
「オレこっちいただき!」
「じゃーオレは三つ編み!」
「ああっ、あぶない!!」


2人の男が完全に無防備な名前とイーピンに向かって走ってきた。
ツナは更に焦るがどうしようもない。


バッ

どずぅん

ズドン


「あっ、ごめんなさい、くせでやっちゃった!」


…しかし、その心配は無用だったようだ。
イーピンはなんとも俊敏な動きで男の攻撃をよけ、気づいた時にはもう男を倒していた。
名前も名前で、向かってきた男をそのままの勢いで背負い投げたのだ。
一同、唖然。
残りの1人も攻撃を仕掛けてきたが、イーピンの見事な蹴りによって床にひれ伏した。


「しっかりしてくださいな!!あーどーしよー。また楽々軒の大将にどやされる〜。」


しかもイーピンは無意識にやってしまっているようだ。流石は元殺し屋とでも言うべきか。


「デコっぱちの娘はどこへいった!!彼女こそボクサーにすべきだ!!」


了平は大人イーピンにボクシングをすすめるが、既に5分経過したので大人イーピンはもとの姿に戻ってしまっている。


「名字もいい線いっていたぞ!どうだ、ボクシング部に入らんか!?」
「え、ボクシングって…下着一丁でなべつかみを手につけて戦う…?」
「違うぞ名字ーーー!!」
「(名前さんーーーー!?)」


いったいどこをどう見てそういう解釈に至ったのだろうか。
いや、わからなくもないが……なべつかみには見えないだろう。

ちなみに、イーピンの道場破り疑惑だが、イーピンはどうやらまな板を探していたらしい。なんでもビアンキに料理を教わろうとしたんだとか。
そういえばイーピンはド近眼だったので、道場の看板がまな板に見えたのだ。






■■
36話は動物園の話だったんですけど、消えて残ってませんでした。





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