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「う〜〜さぶっ。何でこんな時に学校で雪遊びなんだよ!!」


ある休日。ツナはリボーンに言われて学校に来ていた。なんでも雪遊びをするとか。
いつの間にかイーピンやランボやフゥ太までついてきていて、ツナはまさに日曜日のパパ化していた。


「綱吉さん!」
「10代目!」


ツナが子供たちに囲まれていると、ほぼ同時に名前と獄寺の声が聞こえた。
声の方を向くと、そこには名前と獄寺はもちろん、山本、ディーノ、了平までも並んでいるではないか。


「あれーー!?みんな何やってんのー!?」
「おまえらをまってたんだぜ。」


実は今日は、リボーンの計画ではないらしい。


「綱吉さん、いつもランボくんたちと遊んでくださるから…今日はみんなで遊ぼうと思ったんです!」
「コノヤローセリフとるな!!」
「こんな日ぐらい手伝うぜ。」
「水くさいぞ沢田!!」
「みんな〜〜!」


みんなの気遣いが嬉しくてツナは思わず涙が出た。


「やるならがぜん雪合戦スよね!」
「お!!燃えそーだなそれ!」
「かってー雪玉つくっか。」
「あ、中に石入れるのはなしだよ!?」
「合戦!!なんといういい響き!」


……が、実際この5人もこどもとなんら変わりはないのかもしれない。ものすごく楽しそうだ。
名前は雪玉の中に石を入れるなんて知識をどこで手に入れたのだろうか。
早速始めようと、話はチーム分けに。どうやってチームを分けようか話していると、もうすでにリボーンが決めてきてくれたみたいだ。
ツナは何故リボーンが戦国武将の格好をしているかつっこみたくてしょうがなかったが、なんとかこらえた。


「リボーンさんがそういうんならいいスよ。」
「オレもいいぜ。」
「リボーンが考えたならうまくチームのバランスとれてそうだもんね。」
「どーせきかねーしな。」
「かまわん。」
「みんなこのヨロイチビに甘すぎるよ!」


みんなリボーンのチーム分けを受け入れるが、ツナだけは嫌な予感がひしひしとしていた。
まあだからといって取りやめられるわけがなく、リボーンの口からチームが発表された。
東軍が白マフラーで、ツナ・山本・イーピン・フゥ太の4人。
対する西軍は赤マフラーで、ディーノ・獄寺・了平・ランボの4人。


「まってくださいリボーンさん!!なんでオレが10代目とちがうチームなんですか!!?」
「ちょっとまってリボーン!なんで私の名前がないの!!?」


ツナと違うチームであることに不満がある獄寺と、自分の名前が呼ばれていないことに不満がある名前が同時に叫んだ。


「謎だ。」


そんな2人にリボーンは一言で答えて、さっさとルールを説明し始めてしまった。
隅では名前が「仲間はずれ…」と小さく呟きながら雪玉を作っているがもちろんそんなの気にしない。
ルールはこの日のための特別ルール、“レオン争奪戦”。
両チームは30分間、このレオンを奪い合い、30分後にレオンを持っているチームの勝ちという、単純なもの。













30分後、両チームは雪玉と塹壕を作り終えて、ゲームがスタートした。


「私も雪合戦やりたい…。」
「1人余るからしょうがないんだ。ちゃんと審判しろよ。」
「ぶー。」


名前はリボーンの隣に体育座りで背中を丸めて座っている。けっこういじけているようだがやっぱりリボーンは気にしない。
それはさておきゲームの方は早くも膠着状態に陥っていた。


「極限まで攻めずして勝利はつかめん!」


それを最初に破ったのは赤マフラーの了平だった。
玉も持たずに突っ走る了平に向けて白マフラーの山本が持ち前の野球フォームで雪玉を投げるが、了平はそれをことごとく自分の拳で打ち砕いていく。
ツナとフゥ太の援護も呆気なく打ち砕かれ、おされ始めたところでイーピンが飛び出した。


「イーピン!!」


イーピンは勇敢にも了平に真っ直ぐ向かっていき、飛んでくる雪玉を餃子拳で防いでみせた。
これで状態は互角になったと思った矢先、鼻にきつい空気が白マフラーチームをおそった。
餃子拳のギョウザエキスが風下である白マフラーチーム側に流れてきているのだ。このにおいは正直きつい。


ドガァン


「うおっ、無念!!」
「えっ」
「なに!!」


もう少しでツナ達が戦闘不能になるという時。
いきなりの爆風がギョウザエキスの空気を吹き飛ばし、更に了平までもを吹っ飛ばした。


「10代目オレです。スパイ活動が終了したのでそちらに戻ります!」


もちろんこの爆風の根源は獄寺のダイナマイトだ。普通の顔して思いっきり寝返っている。


「じゃあ私も!今まではスパイ活動だったんで!」


獄寺に便乗して名前までもがツナ側に立ち上がった。
リボーンは特に何も言わずに口の端を少しあげている。


「ならば我々も!!」


すると今度は雪の中からディーノの部下が2人姿を現した。どうやら今までずっと雪の中に潜っていたらしい。
いい加減もうめちゃくちゃになってきた。


「こんなんでいいのかよ審判!!」
「うん。ぴったり予想どーりだ。」
「おまえまた遊んでんなー!!」


この状況はまさにリボーンの思惑通りらしい。流石だ。


「これでボンゴレ対キャバッローネってわけだな。なら話は早い……果てろ!!」


変に納得した獄寺は遠慮なしにめいっぱいのダイナマイトをディーノの方に投げた。
もう雪合戦ではない。雪上の合戦になっている。
しかし部下がいるときのディーノの力は圧倒的で、鞭を一振りしただけでダイナマイトを切断し、イーピンに雪玉を当ててみせた。


「どーした?レオンはいただくぞ。」
「そうはいかないわ。」


鞭を構えるディーノに返事をしたのは獄寺でも名前でもなくて、ビアンキだった。


「勝つのは私達、毒牛中華飯!!!」


…いったい雪合戦はどうなってしまうのだろうか。







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