RE! | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -



21


「「「「「誕生日おめでとーー!!」」」」」
「(え゛…誕生日明日なんだけど…)」










今日、ツナの部屋では盛大な誕生日パーティーが開かれている。
それはツナの誕生日………ではなく、リボーンの1歳の誕生日のために開かれたものだった。
てっきり自分の誕生日パーティーだと思っていたツナは一気に奈落の底に落とされた気分だ。
あまつ親にまで自分の誕生日を忘れられていたとなると泣きたくなる。
結局『ついで』という形でツナの誕生日パーティーも含めることになった。


「山本君ちからおすしをいただいたのよ。」
「おお!!山本ありがとう!」
「ハルとりわけます!」
「ご・ち・そ!ご・ち・そ!」
「うざいと殺すわよアホ牛。」
「ん…あれ…?みんないるハズなのに何かいつもと雰囲気ちがうよーな…」


小さいテーブルの上に豪華な寿司が並んで、それを皆で取り囲むが……何かが足りない気がする。


「あ!!!獄寺君!!」


獄寺の姿が見当たらなかった。
テーブルの近くにはビアンキが座っているために近付けないようだ。
ベッドの後ろで縮こまっていた。明らかに顔色が悪くてゼーゼー言っているが大丈夫だろうか。


「獄寺君大丈夫…?」
「オレは10代目の誕生日覚えてましたよ…。無念です。」
「え?」


それを最後に、獄寺は倒れてしまった。


「こんなムリしなくてもよかったのに…。」
「そうはいかないわ。」
「ボンゴリアン・バースデーパーティーでは不参加は不利だからな。」
「ボンゴリアン・バースデーパーティー………?」


ここでもまたボンゴレ流が関わってくるらしい。
リボーンが言うには、ボンゴレファミリーでは奇数才の誕生日にこのパーティーをしなければいけないらしい。
誕生日をむかえるホストが参加者の用意した“プレゼント”や“出し物”に点数をつけ、1番高い点数をとった参加者は豪華プレゼントをもらえるという仕組みだ。そして最下位は殺される。


「そーいえば名前さんは?名前さんもボンゴレのはずじゃ…」
「手間取ってるらしいな。」
「?」












こちらは並盛中学校、応接室。


「だーかーらーー!今日はどーしても行かなきゃいけないのー!!」
「だったらそれ早く終わらせてくれる。」
「私が漢字読めないこと知ってるくせに…!」


名前は応接室の主:雲雀恭弥に捕まっていた。
目の前には山のような書類が今にも倒れそうなくらいにたたずんでいる。
逃げようにも隣に座る雲雀がトンファーを構えているため迂闊に動けないのだ。


「お願い!ほんっとお願い!今日行かなかったら首が飛ぶの!」
「…どうせまたいつもの“綱吉さん”のところに行くんだろ。」
「いやまあそれはそうだけど…」
「行かせないよ。」
「何で!?」


名前としては早く誕生日会に行かなければならない。普通の誕生日会なら問題ないが、今開かれているのはボンゴリアン・バースデーパーティーなのだ。
パーティーが終わるまでにリボーンにプレゼントを渡さなければ掟によって殺されてしまう。


「もう…君は何でこう……あーーー、いい?日本には人権というものがあるよね?」
「名前にだけは適用されないよ。」
「普通の顔でうそついてるー!!」


……のだが、雲雀がそれをなかなか許してくれない。


「だから、私が今どこで何をしようとあたしの勝手だということなのよ。」
「僕の勝手だよ。」
「…君は私をなめてるの?」


どこまでも自分勝手な雲雀に名前は腹の底から溜息をついた。


「…じゃあどうしても行きたいなら……」
「何?」
「キスしてよ。」
「…は!?」


やっと行けると思ったら今度はとんでもない要求がきた。キスをしろと言うのだ。もちろん名前から。


「ね、ねえ雲雀大丈夫?それはえーと…あれ、“しりめつれつ”すぎるよ。」
「早く。」
「…あのね…」


首にあったはずのトンファーはいつのまにか無くて、目の前すぐ近くに雲雀の顔がきていた。
名前が何を言おうが雲雀は聞く耳を持たないらしい。折角覚えたての日本語を使ったのに。


「……はあ。わかったから…」


とうとう最後には名前が折れた……


「なーんちゃって。おやすみ。」
「!」


……と思った瞬間、名前は雲雀に麻酔銃を向けて、それを容赦無く雲雀に撃った。
雲雀はトンファーを持ち直したが降りてくる瞼を上げることはできず、ソファーの上に倒れこんだ。


「…急がなきゃ…!」


名前は雲雀をちゃんとソファーの上に寝かせてから、ツナの家へ急いだ。















「遅れてごめんなさいぃぃいいって綱吉さんーーー!?」
「死ぬ…!本気で死ぬ…!」
「名前さん!」


名前がついた頃、ツナの部屋はパニック状態で部屋の中心にツナが体を変に曲げて倒れていた。……パンツ一丁で。


「名前か。ギリギリだぞ。」
「ごめんごめん雲雀が……って今それどころじゃなくて!綱吉さんどうしたんですか!?」
「ツナはな…この手品に命をかけたんだ。立派な最後だったぞ。」
「綱吉さーーーん!!」
「死んでない死んでない!!」


何故ツナの体がこんなんなってしまったのかというと……まあ、手品で無茶な事をしたのだ。パンツ一丁なのは死ぬ気状態だったためだ。


「それよりプレゼントはどーした?なかったら0点で殺すからな。」
「あ、あるよちゃんと!はい、手作りクッションー!」


ツナの体が大変な事になっているというのにリボーンは平然としている。
名前は殺されてはたまらないので急いで持ってきた名前お手製のクッションを渡した。


「寝心地良さそうだな。」
「イタリアの高級素材を使って愛情込めたからね!」


リボーンは早速そのクッションの上に頭を置いて間もなく、鼻ちょうちんを膨らませた。
…どうやら丁度お昼寝の時間だったらしい。


「ちょーー!?寝んなよ!!」
「あ!実は綱吉さんにもおそろいの作ってきたんです!本当は明日お祝いしたかったんですが……少し急用ができてしまいまして……すみません!」
「え!いや、すごく嬉しいです!…けど、今は痛いーーー!!」
「あああそうでした早く病院にーー!!」


結局ツナは自分の誕生日を病院で迎えることになってしまった。









next≫≫
≪≪prev