- ナノ -

「何でテメーらまでいんだよ。」
「いいじゃないのー。」
「まーまー。」


確かにランボの保育係は欲しいけどさあ………何この面子？！


「おいリボーン！！話がちがうだろ！！」
「ん。」
「ランボの保育係紹介してくれるんじゃなかったのかよ！！？」
「紹介してんじゃねーか。ボスであるお前のファミリーから決めるにきまってんだろ。」
「何わけわかんないこと言ってんだよ！！つーか名前さんはともかく…この２人が候補ってどうなの〜！！？」


リボーンの言う候補っていうのは、名前さんと山本と獄寺君の３人。
このメンバー見るからに一目瞭然で名前さんが１番適任だよ！昨日だってすごく助かったし。


「ガハハハハハ！ランボさん登場ーーっ！！！」


こんな時に〜…！登場の仕方がもう超うぜーー！！


「またうぜーのがきやがった。ションベンタレはすっこんでろ。」
「ちっ、ちがうもんね！もらしたフリしたんだぞ！！だまされてんじゃねーぞバカ者共ォ！！」
「てんめ〜っ、いっぺん痛い目みなきゃわかんねーみてーだな！」


ランボは痛い目を見てもわかんないと思うよ獄寺くん…。


「あら、あれ何？」
「ん？」
「バカは見る。」
「死にやがれ！！」
「まーまー。」


ほらね…。ランボに目を殴られてキレた獄寺くんは思いっきりランボを蹴りたおした。
絶対この人がランボの教育係とか無理だから！早速泣かしてんじゃん！


「んじゃ、ランボの保育係の適性テストをはじめるぞ。」
「なっ」
「！？」
「テスト？」
「？」
「なに言ってんだよっ！今獄寺君の適性のなさ見てただろ…」


だからこの中では名前さんが１番適任じゃん！ランボが名前さんに懐いてることも知ってるだろ！？


「こいつの保育係ってのは遠慮しときます。オレコイツ大嫌いなんで。」
「ほらね。」
「私はいいですよ！ランボくんと遊ぶの楽しいし。」
「オレもいいぜ。今日は何の遊びだ？」


山本節でたーっ！！


「ちなみに保育係になった奴がボスの右腕だからな。」


何でそういう事になるんだよ？！


「な…右腕…」
「そりゃいーな。」
「…リボーン、私右腕より腎臓がいい！」


何でそんな腎臓にこだわるんですか？！


「オレ…本当はランボ大好きです。」


無理ありすぎー！！


「ルールは簡単だぞ。あいつを笑わせた奴が勝ちだ。」
「なんだそりゃ……………そんな勝負３人がやるわけ…」
「山本、名前、てめーらには負けねーぞ。今日こそ白黒つけてやる。」
「よっしゃ。やるからには勝たねーとな。」
「腎臓…」


は…白熱してるー！！！そーゆー勝負じゃないと思うんだけど。
２人ともすごい顔が真剣だよ！名前さんはなんかまだ腎臓とか言ってるよ！


「オレ先攻でいくぜ。」
「がんばれヨ！」
「泣かせちゃだめだよ。」
「制限時間は３分だぞ。」


まず最初に行ったのは獄寺君。あの目は……やる気だ…！
ランボは獄寺君が近づくと一層大声を出して泣き喚いた。


「さっきは悪かったな。仲直りしよーぜ。」


獄寺君は泣き続けるランボに仲直りと、右手をさしのべた。握手するつもりなんだろう。
でもランボはその手を握らずに、代わりに手榴弾を握らせた。


「うわっ！！」


ドォンッ


「やっぱてめー死んでこい！！！」
「くぴゃあっ」
「おちつけ獄寺！！」
「ストップ！ストーップ！」
「わああ名前ーーー！！」
「よしよし。」


再びキレた獄寺君に首を絞められて名前さんの脚に泣きつくランボ。ほら、だから名前さんが１番適任だって。


「次、山本だぞ。」
「オッケー。」


でも山本も子供に好かれそーだな。


「おまえキャッチボールやったことあっか？グローブでこのボールをとるんだぜ。」


そう言って山本はランボの手にグローブをはめてやった。
お、泣き止んだし、興味示してる！いい感じだ。


「ほらいくぞ。」
「ん。」
「そー…れっ！！」


ゴッ


「え！！？」
「へ…」


え……い、今、なんか……信じられない光景が………ええ！？投げる瞬間山本の目が変わったような………ええ！？
山本が投げたボールはグローブを突き破ってランボの左頬に直撃。そのままランボは校舎の壁まで吹っ飛んだ。
歯が抜けたランボの鳴き声がまた学校に響く。


「わ！わりい！野球の動作に入るとつい加減ができなくてな。」


なんじゃそりゃーーっ！


「山本にこんな恐ろしい一面があったなんて…。」
「すごいですね…。」
「あいつ初めていい仕事しましたね。」


獄寺君すごい清々しい表情してるよ…。


「何やってるんですかーーー！！！」
「ハル！！？」


なんだかごちゃごちゃになってきたところで、グラウンドにハルの怒鳴り声が響いた。
何でハルがうちの学校にいるんだよ？！
転入かと思ったら、新体操部の交流試合にきていたらしい。ハルが新体操部なんて……イメージできねー！！


「たとえツナさんでもランボちゃんをいじめたらハルが許しません！！」
「あいつが一番保育係に向いてるな…。」
「言えてる…。」
「じゃあ奴が右腕…？」


確かにそうだけど、別にオレがいじめたわけじゃ…。
…ていうか、名前さんは？オレ的にはやっぱり名前さんが１番適任だと思うんだけどなあ。


「わあぁあ」
「はひ？」
「げっ、１０年バズーカ！！」


ドガァン


泣きまくるランボはついにハルに抱かれながら１０年バズーカを撃ってしまった。
爆音が響き、煙の中から１０年後のランボが出てくる。
もちろん大人ランボをハルが抱っこできるわけがなくて、よろけちゃってなんとか片足をたてたけど………うわあ、痛そう…ランボ…。


「やれやれ。なぜいつも１０年前にくると痛いのだろう…。」
「はひーーー誰ですかーーーー！！？」
「そっか。ハルが大人ランボに会うのは初めてなんだ…。」
「へー。ランボ君すごい変わるんですね。」


名前さんも初めてのはずなのに…すごい冷静だ…！


「お久し振りです、親愛なる若きハルさん。」
「キャアアアアエロ！ヘンタイ！！」
「！？」
「え！？」


ランボが挨拶すると、ハルは顔を真っ赤にしてランボの頬を叩いた。
………あれ？何で！？確かに台詞はくっさいけど叩くほどじゃ………


「胸のボタンしめないとワイセツ罪でつーほーしますよ！！何か全体的にエロイ！！！」


……ハル…大人ランボダメなんだ…。


「ハル、わかるぞ！おまえの言う事はもっともだ。それに何だこの変てこな首輪は。」
「え…」
「おめーは鼻輪が似合ってるんだよアホ牛！！」
「ええ！」
「もう、隼人！」


獄寺君のはただのイジメだーー！！！


「オ…オレ…失礼します。」
「おー帰れ帰れ！」
「ちょっ、獄寺君！」


流石にランボ可哀相だよ！足元フラフラしてるけど大丈夫か！？っていうかどこに帰るの！？


「おいおまえ、角落としてるぞ。」
「あ…投げてください。」


…いや、ちょっと待っ……


「あいよ。」


グサッ


……遅かったーーー！！
もろ刺さったよ！山本が投げた角がもろにランボのおでこに刺さったよ！


「が…ま…うわあああああ！」


結局大人ランボも泣いてるし…。


「ランボくん大丈夫？！」
「！　名前さん……うう…」
「おでこ大丈夫？シャマルに見てもらおっか？」


土の上に体育座りするランボに名前さんがかけつけた。ランボの前に膝をついて、おでこの血をハンカチで拭いてやっている。
すごいなあ名前さん。もうランボ泣き止んでるよ。


「相変わらずお優しくてお美しい…」
「やだ、ランボくんってば口うまくなったね。」
「…名前さん……いつものように体をお借りしていいですか？」
「え？」
「はあ……やはりここが１番落ち着く…」


名前さんの返事を待たずにランボは名前さんを抱きしめた。
ななな、流石にまずいだろそれは！５歳ならまだしも、１５歳だぞ！？


「はひーーー！名前さんに何てことするんですかーー！！」
「テメッアホ牛…もっぺん泣かされてーみてぇだな…」
「あはは、変なの。」


本人笑って許してるーーー！！


ボンッ


ここで１０年バズーカの効力がきれたみたいで、ランボが元の姿に戻った。
５歳のランボは名前さんの腕にすっぽり収まって気持ち良さそうに寝ている。


「…保育係は文句なしで名前さんに決定だな。」
「名前は最初から候補に入ってねーぞ。」
「はあ！？」


何で！？これほど適任な人材はいないのに！


ピンポンパンポーン


『名字名前。３分以内に応接室に来るように。来なかったら…わかってるね。』


ピンポンパンポーン


「………では綱吉さん！私はこれで失礼します！！」
「名前は忙しいからな。」
「………なるほど…。」


確かにこれじゃあ保育係は無理だな………ってことは………


「やっぱツナが面倒みるしかねーな。」
「おまえ最初からそのつもりだったろー！！」







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