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「あれ、名前さんじゃないスか。」
「山本くん!」


リボーンにお寿司屋さんに呼ばれたはいいけど見事道に迷っていました、名前です!
だってリボーンったらお店の名前を言っただけで地図とかくれないんだもん。地図さえあれば迷わなかったのに!
っていう感じで、道端で困っていたらそこにちょうどよく部活帰りの山本くんが通って助かったー!というわけですよ。
早速そのお寿司屋さん、『竹寿司』のことを聞いてみたらなんとそこは山本くんのおうちだそうで!
本当助かったよ!山本くんちがお寿司屋さんだったとはねー。でもなんとなく似合ってる!


「ここっス。」
「わあ…」


山本くんが立ち止まったところは、引き戸で、のれんがかかっていて、いかにもジャッポーネって感じのところだった。
これが憧れのお寿司屋さん…!ずっと前から食べてみたかったんだよね!


「? どーしたオヤジ?」
「食い逃げだよ。」


中に入るとお父さんが何やら取り込んでいるようで。
どうやら食い逃げされたらしい。食い逃げ…っていうのは、お金を払わずにご飯を食べて逃げる行為のことよね。そんな非道なことをするなんて………


「綱吉さん?!」
「ツナじゃねーか。」
「山本ォ!それに名前さんまで!」


綱吉さんじゃないですかーーー!!え、もも、もしかして食い逃げしたのって、綱吉さん…?!
いやでもまさか綱吉さんが食い逃げなんて極悪非道なことをするわけが無いわ!


「…あ!リボーンですね!?リボーンの策略にはまってしまったんですね!?そうですよね!!」
「ははははい…!」
「ハハ、とりあえず座れって。名前さんも。」


やっぱり!リボーンの仕業なのね!
綱吉さんに食い逃げの罪を負わせるなんて、いったいリボーンは何を考えているんだか…。


「おっ、タケシのコレかぁ?」
「ちげーよ!」
「? 初めまして。名字名前と申します。」


お父さんはニカッと笑って(山本くんと似てる。)、右手の小指をたてた。これは何というジェスチャーなんだろう…。
小指……小指………はっ!も、もしかしてお父さんにオカマだと思われている?!


「照れるな照れるな!まだまだ青いなーお前も!」
「だからちげーって!名前さんに失礼だろ。」
「……そうなのかい?」
「わ、私はオカマじゃないです…!」
「「「は?」」」


え?!な、なんかお父さんも山本くんも、綱吉さんまで唖然としてる。
変なこと言ったっけ…?……あ!ジェスチャーの意味取り違えたのかな…?!


「ぷぁっはっは!姉ちゃんそりゃーどういうギャグだ!」
「えっ私今ギャグ言ったの?」
「オレらにはそう聞こえたな。」
「(いったいどういう経緯で『オカマ』に…)」
「よーし!面白かったからこれはおっちゃんの奢りだ!」
「わあ!」


勢いよくどーんと私の目の前に置かれたのは、まぎれもない“寿司”!こ、これがあの憧れの、夢にまで見た…!
なんかよくわかんないうちにいいのだろうかこんな…。


「い、いいんですか…?!」
「おう!タケシのやつが世話になってるみたいだしな!」
「いえそんな!むしろ逆ですよ。さっきだって…」
「まーまー、とりあえず食ってくださいよ。」
「う……その……じゃあ、お言葉に甘えて…。」


遠慮したけど、やっぱり食べたいもんは食べたい。どんなにこの時を待ち望んだか…!だって夢にまで見たんだよ?!いや本当に。
で、では、まずはトロをいただきます…!!


「お…おいしい…!!お寿司ってこんな美味しいものだったんですね!」
「なんだァ姉ちゃん、寿司食ったことないのかい?」
「名前さんイタリアから来たんだよ。」
「ほー。じゃあ大トロもう一丁追加だ!」
「ああありがとうございます…!」


い、いいんだろうか本当に…!大トロっていえばすごく高いんじゃないっけ?!ジャッポーネのグルメリポーターさん達がいつも絶賛していたような……。
どんだけ良い人なんですか山本くんのお父さん!ああ、やっぱりジャッポーネ大好きだ!


「…で、ツナはどーして食い逃げなんか?」
「ち、ちが…!あれはリボーンに騙されたんだよ!」
「ハハハ、チビ達にだまされるかよふつう。」
「そんなこといったって…」
「! ケホッ、やっぱり!すみません綱吉さん!リボーンには私から言っておきますから!」
「いや、名前さんが謝ることじゃあ…」
「いいえ!綱吉さんだけじゃなく、えーっと…まぶだちの山本くんにまで迷惑をかけたんですよ?」
「マ、マブダチって…(そこは普通に友達でいいと思うんですが!)」
「ハハ、面白いなー名前さん。」


あれ?確かジャッポーネでは特別仲の良い友人のことは『まぶだち』って言うんじゃなかったっけ?!


「ハッハッハ、そーかタケシのマブダチか〜。だったら話は変わらぁな。」
「!?」


あ、山本くんのお父さんに通じたみたいだから合ってるんだよね!


「さっきの分はおっちゃんがおごってやるよ。」
「本当ですか!?ウニやトロまで!?」
「おう!タケシが世話になってるみてーだからな!」
「ありがとうございます!」


うわーーどんだけ良い人なんですかお父さん!!ウニとかトロとかすごく高いんじゃないんですか?!
リボーン達が食べた分を払いたいのは山々なんだけど……リボーンに「ご馳走してやる」って言われたからお金持ってきてないんだよね…。
………はッ!つまり私もハメるつもりだったのか!!


「ただしだ。」
「?」
「あの分は払ってくれよ。」
「んな゛ーーー!!!」
「えええ?!」


お父さんが少し青い顔で指差した方向には、カウンターに並んでいるお寿司を貪るリボーンに、ランボくんに、ビアンキまで…!
いつから食べてたの?!なんかかなりの量を思わせる残骸があるんだけど……。
ビアンキ達は見つかったとわかると、「ごち」って言ってもの凄いスピードでここから出て行った。


「クピャ!!」


そんな中、ランボくんがつまづいて転んでしまって、逃げ遅れてしまった。
綱吉さんにお金を払っていけと言われてランボくんが出したのは、1つの石。……うん、普通にそこらへんにある石だね。
まあ、ランボくんまだ5歳だしお寿司を払えるほどの大金なんて持ってないよね。


「値のはるものばかり食べていったなー。」
「こりゃ7万になるぞ。」
「なっ7万!!!」


7万って…!ジャッポーネの約143円が1エウロ(ユーロ)だから………け、結構高いんじゃ…?!


「ど…どーすんだよー!そんな大金支払えっこないよーー!!!」
「だ、大丈夫です綱吉さん!7万くらいだったら私が「働いて返せばいいだろ?」


私の言葉を遮ったのは猟師の格好をしたリボーン。青ヒゲまでついてる…!


「働かざるもの食うべからず。オレも働いてこれをゲットした。」


“これ”って……カラス…?いやいや、カラスを働いてゲットってどういう仕事よ!


「うんお客さん、そいつぁいいアイデアだ。金がなけちゃ体で払ってもらうしかねーもんなぁ。」
「ひっ、ちょっ、あの!」
「いえ、私が「こんなことは若いうちしかできねーぞ。ゲプ。修業だと思ってがんばりやがれ。」


何でことごとく私の言葉を遮るの?!っていうか今台詞の間に「ゲプ」って…!
これはつまり「払うな」って事なのかな……リボーンの目がそう言ってるような…。


「だいたい7万なんて1日2日働いて返せる金額じゃないじゃないか〜〜!」
「ねむい。」


リボーンは綱吉さんにも有無を言わせるつもりはないらしい。
綱吉さんの嘆きも完全無視で、目を開けたまま鼻ちょうちんをふくらませてしまった。


「まーまー、オレも手伝うから。」
「私も手伝います!」
「山本…名前さん…」
「とりあえずお客につっかかんなって。」


山本くんリボーンだって気づいてないの?!







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