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09


「えー…今日から並中に通うことになった、名字名前さんだ……」
「よろしくお願いします!って…綱吉さん!」


何で同じクラスなのーーー?!













「同じクラスだったんですね!」


な、な、何でよりによってウチのクラスなんだよ〜〜!
てっきり3年生のクラスだと……っていうか流石に中1は無理があると思うんですが…!
これから同じ学校に通うんだったら、敬語と「10代目」っていうのは直してって言ったんだけど……直ってないよ!いや、「10代目」は直ったけどさ!それでも同い年(という設定)の女の子にさん付けされてるって変だよ!


「さ、沢田の知り合いか。じゃあ、席は沢田の後ろな…!」
「後ろからお守りしますね!」
「右にオレがいるからテメーはお呼びじゃねーんだよ!」


またそういう事をーー!!
同い年(という設定)の女の子に守られるとか本当ありえないから!獄寺君もいちいちつっかからないで…!
それと、さっきから先生が怯えてるような気がするんだけど………気のせいだよね!うん!


「で、では、皆仲良くするよーに…!」


全然気持ちがこもってないんですけど!何この怯え様!名前さん先生に何かしたの?!











「綱吉さん!ジャッポーネの歴史は興味深いですね!私感動しました!」
「そ、そう…よかった…ね…。」


ああ、もうお昼か…。なんだか今日は時間が過ぎるのが早く感じるな。多分…っていうか絶対名前さんの所為だ。
毎時間授業の感想をオレに語ってくるし……まあ、それはいいんだけど、敬語やめて欲しいんだってば!クラスの皆に怪しい目で見られるのはオレなんだから…!
心なしか嫉妬の目も向けられてるような…。名前さん大人っぽくて(っていうか実際大人だし)綺麗だからなあ。


「私がせっぷくするときは綱吉さんがかいしゃくしてくださいね!」
「えええそんな事言われても…!」


だからありえないってーーー!!
今時切腹する人なんていませんから!…なんて事を、戦国時代のビデオを見て感動しまくってる名前さんに言うのは気が引けたのでやめた。
歴史ビデオ見てここまで感激する人、初めてみたよ…。でもアレ、ビデオの感想を提出しなきゃいけないんだけど…大丈夫なのかな、名前さん。
オレが見てる限りじゃ口開けてテレビを凝視するだけで、手が動いてなかった……っていうかペンすら、カバンすら持ってきてなかったような…。


「午後はもうしゃかいは無いんですか?」
「午後は体育祭の打ち合わせだぜ。」
「たいいくさいって?」
「んー…運動しまくる祭りみたいなモンだな!楽しいぜ!」
「へえ、楽しそうね!」


ああ、そういえばもう体育祭の時期かー…。あんまり楽しみじゃないな…。どーせオレは全種目ビリだし…。


「10代目!焼きソバパン買ってきました!」


頼んでないんですけどーーー!!
何コレ!オレが獄寺君をパシリにしたみたいじゃん!


「隼人こうばいに行ったの?!」
「…だったら何だよ。」
「私も連れてってくれればよかったのに!」
「何でテメーなんか…!」
「ジャッポーネの学校のこうばいを体験してみたかったの!じゃあ、行ってきますね!あ、あと少し用事があるので、先に食べていてください。隼人、あたしがいない間もちゃんと10代目を守るのよ!」
「当たり前だ!」
「い、いってらっしゃ……って、カードォ?!」


名前さんが上機嫌に教室を去っていく時、名前さんの手の中にカードらしきものが握られていたんだけど……しかも金色だったんだけど……
も、もしかしてアレって………いや、でもカードで購買のパンを買うなんてそんな非常識な事………


「早く行こうぜー、ツナ。」
「(もう否定できないよ名前さん…!)う、うん…。」















「ううう、カードで買えないなんて…!」


あの後、意気込んで購買に臨んだ名前だが、もちろん学校の購買のパンがカードで買えるわけがなく、門前払いとなってしまった。
今日名前は学校にこのカードしか持ってきていなかったので(決して学校をナメているのではない)もう昼ご飯を確保する術はない。


「あ!もうこんな時間……急がないと。」


ふと廊下の時計を目にして呟いた。
名前は昼にある人物から呼び出されていたため、これからコンビニに行く事もできないのだ。
この廊下を真っ直ぐ歩いて、突き当たり。


「よし、迷わず来れた。」


そこにあるのは、保健室。
『先生不在』というメモがかけられているのは無視して、名前は中に入った。


「5秒の遅刻だぞ。」
「ごめんってば。」


中に入ってすぐ目の前にあるベッドの上に、“ある人物”はいた。
……リボーンだ。今日は白衣を着て医者のコスプレをしている。


「用って何?」
「頼み事があんだ。名前にしか頼めねー事だぞ。」
「…何か嫌な予感がするんだけど。」
「名前ちゅわ〜〜〜んっvV」
「!」


ニカッというリボーンの爽やかな笑顔に胡散臭さを感じる名前。結果、その予感は的中した。何者かが名前にいきなり飛びついてきたのだ。


「…久し振り、シャマル。」
「相変わらずつれないの〜。」


名前は迫ってくる相手……シャマルの頭に銃口を向けてその動きを止めた。
シャマルは口を尖らせながらも、名前を包み込もうと広げた両手をそのままあげて降参ポーズ。


「頼み事って、コレ?」
「そうだぞ。」
「コレって…酷いなー名前!」


リボーンの言う「頼み事」とは、シャマルを並中の養護教諭にするために細工をしてほしい、という事だった。夜遊びばかりしていてすっからかんになってしまったらしい。


「……呆れた…。」


その理由を聞いて名前は心底呆れた。
が、受けない事はできない。リボーンの「頼み事」には毎回拒否権が用意されていないからだ。


「それより、左手はいいのか?もう半年は診せてねーだろ。」
「大丈夫だよ。最近全然痛まないの。」


シャマルは名前の左手をとって、いきなり真剣な目つきになった。
女たらしのスケコマシでも一応医者だ。そのシャマルから見て名前は仲間であると同時に、患者でもあった。


「鎮痛剤は?」
「…あと3個。」
「少ねーな。あと30個作っといてやるよ。」
「…ありがと。」


「やっぱりシャマルもちゃんとした医者だな」と、名前が見直しかけた時。


「だからいい加減チューさせてくれー!」
「…この…スケコマシ!」


シャマルが再び口をタコのように尖らせて両手を広げてきたものだから、名前は即座に銃を抜いてそれでシャマルの頭を殴った。







■■
雲雀さんとの約束はすっぽかし。





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