04
「げっ…!」
「どうしたー?ツナー。早く屋上行こうぜ!」
「何かお困りですか10代目!」
さ、最悪だ〜〜弁当忘れるなんて…!!
「何だ、弁当忘れたのか?」
「それならオレの弁当を差し上げます!」
「オレのもちょっとわけてやるよ。」
「あ、ありがとう……」
散々ダメライフを送ってるオレでも、弁当だけは忘れた事無かったのに…!お金も無いから購買にも行けない…。
獄寺くんも山本も、すごくありがたいんだけどもう少し声のボリュームを落としてほしい…!これじゃあオレが弁当忘れた事クラスの皆にバレバレだよ!
「じゃ、じゃあ屋上に「10代目ーーー!!」
「「「?!」」」
恥ずかしいから早く屋上に行こうと思ったけど、それはできなかった。
「お弁当…っていうか……まあ、昼食持ってきました!」
「(なんか来たーー!)」
教室の扉を遠慮無くガラガラッと開けて入ってきたのは見た事のない女の子。
何で知らない女の子がオレの弁当届けに来るんだよ!?
うちの制服を着てるけど、こんな女の子いたっけかな…?ていうか、オレの事「10代目」って呼ぶのはマフィア関係ぐらいだよ!
いや、ちょっと待て……この口調にこの雰囲気……どこかで……
「も、もしかして……名前…さん…?」
「!」
見た目は全然違うけど、何ていうか……名前さんの雰囲気というか、オーラというか……そんなものがあるんだよな…。
で、でも違うよな!名前さんがウチの制服着て来るなんてそんな非常識な事……
「さすが10代目!私の変装を見破るとは!」
「なッ…名前なのか?!」
非常識でしたーーーー!!!
名前さんはリボーンの知り合いの中でも一般常識はあると思っていたのに…!どこで手に入れたんだよウチの制服!
「へーすげーな!全く別人だ。」
素直に感心する山本。いや、変だと思おうよ!普通の人は変装とかしないから!
「何で変装…」
「スパイですから、あまり人に素顔を見られてはいけな「ひーー屋上行きましょう!!」
ここ教室ですから!スパイとかそういう学校生活とは程遠い単語を出さないでーー!!
嗚呼、周りからクスクス笑い声が聞こえる……きっとまた「ごっこ」だと思われてるんだろうな……本当泣けてくる。
オレは逃げるように、名前さんの手を引いて遅いながらも必死に走って屋上に向かって走った。
「はい!コンビニのおにぎりです!」
「…わ、わざわざありがとうございます……って全部ツナマヨーー?!」
昼食届けてくれたのはありがたいけど、何で4個ともツナマヨなの?!全部ツナマヨって……相当キツいよ!
「あ、お嫌いでしたか…?」
「いや、ありがとうございます…。」
名前さんが本気で顔を暗くするから、思ってる事を口に出せない…。まあ、昼飯があるだけマシだよな。
「名前さんお昼食べましたか…?」
「いえ、まだです。」
「じゃあ、2個どうぞ。」
「そ、そんな恐れ多い!」
「折角届けに来てくれたんだし、悪いですよ…」
それにオレ、4個もツナマヨ食べられないし…。
「うっ…10代目、優しいんですね!ありがとうございます!」
すごい頭を下げておにぎりを受け取る名前さん。
……何かなあ…。獄寺君もそうだけど、オレなんかに敬語使わなくていいのに…。
「ったく、届けんならもっと早く届けろよ。」
「む。隼人のくせに生意気な!」
何で獄寺くんは名前さんに敵意丸出しかな…。お願いだからダイナマイトは出さないで…!
「だいたい、途中であんな変なのに会わなければちゃんとお昼に来れたわ!ですからね10代目、遅れた原因はトンファーの少年にあるんですよ!」
いや、オレに言われても困るんですけど……って、トンファーの少年って…!
「も、もしかしてヒバリさんに会ったんですか?!」
「やられた男がそんな事言ってましたね。」
「えーーー?!」
よ、よくヒバリさんに会って無事だったな名前さん…
噂じゃヒバリさん、気に入らないとすぐにトンファーでメッタ打ちにしてくるって……
「すげーな!何もされなかったスか?」
「されたからちゃんとし返してやったわ!」
「ええーー?!」
「すげーんだなー、名前さん。」
「やだ、よくわかんないけど照れるわ山本くん。」
「(本当にすごい人来ちゃったー!!)」
あのヒバリさんにやり返すなんて…流石リボーンの知り合いだ…。
「もしかしてそのヒバリ?っていうの、ファミリーでしたか?」
「ちっ違いますよ!」
「あの少年礼儀はなってないけど、良い戦力になると思いますよ。」
「だからファミリーとか本当関係ありませんから…!」
そんな説明されても困るよー!オレはマフィアのボスになんてなる気ないんだから!
「入れる気はないんですか。よかった!私ああいうの苦手っていうか嫌いなんですよね!鼻の穴にトンファー抉りこんでやろうかと思いました!」
「(えええどう反応したらいいの?!)」
名前さんってよくわかんない…!
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