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「#エロ」のBL小説を読む
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02






「はぁ…」


今日も1日学校でのダメライフを終えて帰宅したオレ。
いつものように溜息をついて自分の部屋のドアを開けると……


「あ、お帰りなさい10代目!」
「……た、ただいま…」


至極当然のようにいる名前さん。リボーンにはもう慣れたけど、名前さんの姿にはまだ慣れない。


名前さんに出会ったのはついこの間だ。
オレが帰宅した時に家の前でウロウロしてて、その姿はどこからどう見ても挙動不審で。一瞬泥棒かと思ったけど、名前さんの容姿を見てそんな考えは呆気なく吹っ飛んだ。すごく綺麗な人だったから。
声をかけてみると驚いたみたいで声が上ずっていた。ちょっと「可愛い」なんて思ったり。
こんな可愛くて美人な人が泥棒なわけないよなと心の中で笑ってると、そこにリボーンが現れて、名前さんがマフィアだという事がわかった。
泥棒なんてレベルのものじゃないよ!
名前さんがマフィアだなんて、とても信じられなかった。でも名前さんが敬意たっぷりにオレの事を「ボンゴレ10代目」って呼ぶものだから、認めざるを得ないかったんだけどさ…。


それからというもの、学校から帰ると必ず名前さんが家にいる。


「んー……名前ー…」
「……」


そして今、名前さんの膝の上にはランボの頭が乗っかっている。世間一般で言う、『膝枕』ってやつだ。
お前リボーンを倒すために来たんじゃなかったのかよ…。
昨日初めて会ったはずの名前さんに、もうこんなになついてる。名前さんは寝返りをうつランボに優しい笑みを向けていた。
名前さんって絶対、子供から好かれるタイプだ。まあ現に好かれてるし。


ピンポーン


「10代目〜〜!」


げっ、こんな時に獄寺くん…!どどどうしよう、名前さんの事、なんて言えば良いんだろう…。


「ファミリーの人ですか?」
「と、友達です!」


第一オレマフィアになったつもりはないですから!
と、とりあえず出迎えなきゃ!


「ど、どうしたの…って、山本も…」
「よ!ホラ、数学の宿題一緒にやろうと思ってよ!」


そういえば夏休み明けたばっかだっていうのに、また数学の先生から宿題が出されたんだっけ。ちょっと問題を見てみたけど、全然わからなかった。
明日提出だからどうしても今日やっちゃいたいなあ……で、でも部屋には名前さんが……


「あ、もしかして都合悪かったか?」
「え!いや、そういうわけじゃないんだけど…」
「またなんか変な奴が来たんですか?!アネキ以外だったらオレがカタしますよ!」
「確かに来てるけどカタはしなくていいから!」


獄寺くんはすぐ物騒な事言うんだから…。
そうだ!何もオレの部屋で勉強しなくってもいいんだ!


「あ、あのさ、今日はリビングで勉強しようよ!」
「ツナの部屋は使えねーのか?」
「その…ちょっと今、近所の子供が来てて……」


ドガァン


「「「!!」」」


何で爆音ーーーー?!
心なしかオレの部屋から聞こえたような……って、煙出てるーーー!!
多分ランボが起きてリボーンに喧嘩売って負かされたんだな…。


「敵襲か?!」
「ちょ、獄寺く…」


血相を変えてオレの部屋に向かって階段を上がる獄寺くん。
敵襲って!そんな物騒なものが平凡な家庭に来るわけないじゃん!いや……まあ、自称ソレっぽいものはいるけど…。
山本も「にぎやかだなー」だなんて言って階段上がってるよ!
あああ今中にはおそらく名前さんが…!


「ま、待っ…!」
「名前!!」
「?」


部屋の中を見て呆然と立ち尽くす獄寺くん。
………へ?今、「名前」って………


「あら、えーと………ビアンキの弟くん!」
「隼人だ!」


……い、一応、知り合い?なのかな…。


「わーすごい、7年ぶり?」
「あの時はよくも…!」
「獄寺くん?!」


何ダイナマイト出してるのーーー?!あの時はよくもって………7年前に名前さんに何かされたの?!


「え?私何かした?」
「…果てろ!!」
「嫌だよ。教えて。」
「!!」


獄寺くんがついにダイナマイトを投げて、ああもう駄目だと思って目を瞑った。
けど爆発音はいつまでたっても聞こえなくて、変わりにボト、とダイナマイトが床に転がる音が聞こえた。
名前さんの手には白い拳銃。もしかしてこれでダイナマイトの導火線をうったのかな……。で、でも銃声とか全然しなかったし…。


「名前の銃からは針が出るんだぞ。」
「は、針?!」


オレの考えていたことを見透かしたように、リボーンが言った。
銃から針……ってことは、そんな細いものを導火線に当てたの?!


「名前の銃の腕は百発百中だからな。」
「(ヒーーー!!)」


やっぱり名前さんってマフィアなんだ…なんて今更その事実をかみしめる。だって普段はそんな雰囲気全然しないし…。


「私何か癇に障るような事したの?」
「…チッ、覚えてねーならいい!」
「ええ、教えてってば。」


本当、獄寺くんとの間に何があったんだろう。名前さんは覚えてないみたいだけど……獄寺くんの様子を見る限りちょっと酷い事しちゃったんじゃないかな…。
あれ?でもなんか獄寺くんの顔赤いんだけど……え?


「誰だこの人?ツナのねーちゃん?」
「え、あ、その……「10代目にお仕えしています、名字名前です。10代目のご学友ですか?」


うわーー何言ってるんだよ名前さん!山本は一般人なんだから「仕えてる」とか…!ていうか仕えられてるの?!


「い、いとこだよ!」


キョトンとする山本に、オレは小声で言った。


「はは、ツナの親戚って面白いなー!」


そうすればいつもの山本節で納得してくれる。ほっ、よかった…!


「コイツは山本武。ファミリーの一員だぞ。」
「あ、そうだったんだ!」
「リボーン!!」


またそういう事を…!!山本はマフィアとかとは縁が無い、一般人なのに!
名前さん、「じゃあ同じ立場なんだね」とか言って山本と握手してるけど、違います!山本は本当に一般人なんです!
山本もハテナマークを浮かべながらも笑顔で握り返してるし…!きっと名前さんもマフィアごっごの一員だと勘違いしてるんだろうな…。


「ちょ、待て!まさか名前も…?!」
「もしかして隼人もボンゴレ?」
「! 10代目!オレは反対っすよ!こんな塩と砂糖を間違えるような奴!!」
「なッ!ち違いますよ10代目!私塩と砂糖間違えたことなんてありませんから!料理は得意なんです!」


あああなんだかまた騒がしくなってきちゃったよ…。
騒がしいといえば、ランボの姿が見えないけど……多分リボーンに吹っ飛ばされたんだろうな…。まあ晩飯までには来るよな。


「いいんですかリボーンさん!」
「ああ、問題無いぞ。名前はツナに必要な存在だ。」
「そんな…!」
「やだ、リボーン照れるわ。」


いや、そんなとこで照れないでくださいよ!
ニカッと笑うリボーン。
顔をしかめながらも少し顔の赤い獄寺くん。
絶対話がかみ合ってない山本。
そして、「改めてよろしくお願いします」なんて言ってる名前さん。

オレが心の中で何を叫ぼうが関係なく(当たり前だけど)、名前さんの入ファミリーは決定事項となっていた。






■■
時間軸は中1の夏休み明けてちょっと経ったあたり。





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