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01




「普通の家だ…。」


うん。どこからどう見ても、何の変哲もない、普通の家。
本当にここにボンゴレ10代目がいるのだろうか。もっと立派なお屋敷を想像してたのにな。ホラ、外から家の中が見えて、庭が広くて、池とかがあるの!ジャッポーネのお金持ちの家は皆そうなんだって家光さんが言ってた。
でも地図によるとここに間違いは無い。表札も『沢田』さん。ここに次期ボンゴレ、沢田綱吉さんが……


「あ!」


そういえば、はるばる10代目のところに来たっていうのに手土産を忘れてしまった!!
うわー、どうしよう!やっぱり怒られるかなあ……ってか殺されるかな…!誰か暇そうな人に何か取り寄せてもらおうかな…いや、でもリボーンには今日行くって伝えてあるし…


「あのー…」
「は、はははい!!」
「ど、どうかしたんですか?」


ボンゴレ10代目の家の前で考え込んでると、後ろから声をかけられた。
振り返ってみると、普通の男の子。中学生くらいかな。茶髪のツンツン頭に、気の優しそうな顔立ちをしている。
私がどもっちゃったから彼もつられてどもっちゃったみたいだ。ああっごめんね!怪しい者じゃないんだよ!


「道に、迷っちゃって!」


いや、迷ってないんだけどね。今日は出直そうかな…。リボーンに連絡入れて…


「どこを探してるんですか?オレにわかれば案内しますけど…」


うわー、優しいなあ少年!でも今の私にとってそれは不都合なんです。


「いいよ!うん!それより君こそ早く家に帰らないとお母さんが心配するよ!」


あ、言ってから気付いたけどまだ時間は4時くらいだ。4時で心配するお母さんは流石にいないか。


「いや、その…そこがオレの家なんですけど…」
「あ!そうだったんだ!ごめんね……………えええ?!」
「?」


ちょちょちょ、ちょっと待ってよ!ここが、この少年の、家だって、言った…?言ったよね?確実に言ったよね?!幻聴とか、そんな老化現象はまだきてないよね?!
もしかして、この至って普通そうな子がボンゴレ10代目…?!


「えー、お名前を伺ってもよろしいでしょうか。」
「(何でいきなり敬語?!)沢田綱吉ですけど……」
「ぎゃーーー!!」
「ぇえ?!」


さ わ だ つ な よ し !!
一字一句間違い無しにボンゴレ10代目の名前じゃん!


「ご、ごめんなさい!私ボンゴレ10代目に馴れ馴れしい口を…!」
「ボンゴレって……もしかして…」
「マフィアだぞ。」
「「リボーン!」」


いつの間にか塀の上にいたリボーン。パニックしてて全然気付かなかった…!
多分リボーンの事だから結構前からいたんだろうな。声かけてくれればよかったのに…!


「またマフィアー?!」
「名前はボンゴレ専属のスパイだぞ。」
「申し遅れました!私、名字名前といいます!」
「ち、違うんだって!オレ、マフィアのボスになんか…」
「名前、土産は無いのか?」
「ぎゃっ!!」


あわわ、早速リボーンに痛いところを突かれてしまった!どうしよう、私見るからに手ぶらだし……もうこれってどうしようもないと思うんだけど!


「ごめんなさい10代目…!ジャッポーネではナイフでお腹を切るんですよね?!」
「ちょーーッ!!何言ってのーー?!」


確か家光さんが日本人は責任とる時に自分でお腹をグサってやるんだとか…。ひいっ、想像しただけでもお腹がチクチクしてきた!


「あっでも私銃しか持ってない…」
「切らなくていいですから!!」
「い、いいんですか?!」
「いいに決まってるっていうか切腹する理由がわかんないよ!」


さっきも道案内しようとしてくれたり、ボンゴレ10代目はなんて優しいんだ!


「あありがとうございます!!尾行、変装、射的などが得意ですのでなんなりと!」
「(なんかもう部下気分なんですけどーー!!)」


この人にだったら、一生ついていけると思う!






■■
けっこう昔のものなのでお見苦しいと思いますが…。




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