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16


商店街のくじ引きで当たったイタリア旅行で10年ぶりに会った幼馴染はマフィアのボスになっていて、マフィアに絡まれて、結局私もイタリアで暮らすことになりました。
…今日までのことを思い返してみたらなかなか壮絶だった。
なんか…いろんなことがありすぎてどっと疲れたなあ…。ふかふかのベッドがものすごく気持ちいい。


コンコン


目を瞑ればすぐにでも寝られちゃいそうなところに、控えめなノックが聞こえて返事をしたら綱吉が顔を覗かせた。
ちなみにこの部屋、今日急ピッチで用意してくれたらしい。
その割りにはベッドとかドレッサーとか、家具もちゃんとしてるし…準備してくれた人、なんか申し訳ない。
しかも綱吉のお隣だとかで…。ボスの隣の部屋を私なんかが占領していいんですかね?


「ごめん、今いい?」
「いいよー何?」


お風呂上りかな、スーツじゃなくてラフな格好だ。こっちの方がしっくりくるな。
口をもごもご動かして視線は泳ぎまくり。…本当、変わらないんだから。


「後悔してないよ。」
「!」
「…違った?」


てっきり「本当によかったの?」的なことを聞かれると思ったんだけど…。
聞くと綱吉は苦笑して首を振った。


「ねえ、私明日から何すればいい?」
「え?」
「なんか雑用とか無いの?」
「んー…そういうのは使用人に任せてあるからなぁ…。何もしなくていいんじゃない?」
「…まあ自分で探す。」


衣食住を保障してもらって何もしないなんて私が耐えられない。
綱吉がこんな感じじゃきっといくら聞いても仕事よこしてくれそうもないな。
もう子どもでもないんだから私にできることくらい自分で見つけられる。


「名前…」
「ん?」
「本当にありがとう。」
「…なに?急に。」
「いや…やっぱ俺、名前がいないとダメだなあって思って。」


綱吉がいきなりそんなことを言うもんだから、ほんの少しだけドキっとしてしまった。
ドキっていうか…キュン?母性本能をくすぐられたのかも。


「じゃあ今日は一緒に寝てあげよっか?」
「な…ッ!?」


でもちょっと悔しいからいじわる。
綱吉は真っ赤な顔でどもりながら「おやすみ」と言って、逃げるように私の部屋を出て行った。





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