RE! | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -



09:不治の病


「うー…」


朝起きるとなんとなく体がダルかった。
もしかして風邪かなあ…。ここ最近色んなことがあったからなあ…。


「よっ、名前。」
「武…おはよう。」


お茶でも飲もうとキッチンに行くと、後ろから武に肩を叩かれた。少し額に汗が浮かんでるということは朝から筋トレでもしてたのかな。
こうやって頑張ってる武は本当かっこいいと思う。ってあれ?なんか、急に動悸が激しく……


「…元気ねーな。何かあったのか?」
「えっ?そ、そそそんなことないよ!?」


武の整った顔が私の平凡な顔を覗き込む。
一気に熱が顔に集中しだして、心臓の音もドキドキからバクバクに激しさを増す。
な、何これおかしいよ!だって、武と話すときこんなにドキドキしなかったのに…!


「顔が赤い…熱か?」
「っ!?」


武の大きな手が私の前髪をかきあげて、額に当てられた。
う、わあ、どっどどどうしようドキドキしすぎて倒れそう…!


「山本テメー10代目に何してやがる!!」
「よ、獄寺。」
「ご、獄寺くん……」


そんなところに獄寺くんが来て、私と武の距離が少し離れる。た、助かった…。


「10代目!おはよーございます!」
「お、おはよう。」


今日も礼儀正しく挨拶をしてくれる獄寺くん。普通でいいのになあ…。
慕ってくれるのは嬉しいけど私はもっとこう、獄寺くんとは普通に……


「10代目…!大丈夫ですか!?山本に何かされたんじゃ…!?」
「へっ!?」


獄寺くんが私の両肩を掴んで、真剣な顔をグッと近づけてくる。
ちょ、そんな顔を近づけられたら…!あああまた心臓がバクバク言い出したあ!
離れたいのに獄寺くんが離してくれない……このままじゃ私どーにかなっちゃいそう…!


「おい獄寺離してやれよ。名前が怯えてんだろ?」
「ああ!?」
「う、あの……」
「…にしてもホント顔赤いな。風邪か?」
「10代目ご病気なんですか!?」
「え、と……っ、わ、私、部屋で寝てくる!!」


武と獄寺くん両方に顔を覗きこまれて、私はついに逃げた。














「それは不治の病だ。名前死ぬぞ。」
「えええーーー!?」


部屋に戻るとリボーンに言われたのはいきなりすぎる死亡宣告。
ていうか、そもそも何でリボーンが私の部屋にいるわけ!?不法侵入だよ!


「死ぬ気弾には副作用があると言われていてな。それが今回の病気だろ。」
「はあ!?」


なんでも死ぬ気弾を撃たれた人間にはとんでもないことが起こると言われていて、それが今回の病気のことらしい。


「“恋するオトメ病”っていってな、少しでも好意を寄せてる異性に対してうまく喋れない、動悸、赤面など恋するオトメの症状が現れて、最終的に死ぬんだ。」
「はああ!?」


何その病気!何その変な病名!何で恋するオトメの症状が現れて最終的に死ぬの!?


「名前、人は本気の恋をすると死ぬんだぞ…。」
「悟らないでよ!」


え…でもちょっと待って。ということは、私は武と獄寺くんに対して少なからず好意を寄せてるってこと…?
あ、いや!もちろん友達として二人は大切だし!そういう意味での好意だよね!?ていうか、死ぬ気弾の副作用ってことは…


「リボーンのせいじゃん!」
「人聞き悪いこと言うな。名前が軟弱なのが悪い。」
「もうっ。どうにか……っ!」


どうにかしてとつかみかかったところでハッとした。
リボーンが、ち、近い…!なんだか急に恥ずかしくなって、自分から掴んだ手をそろりと放す。
恐る恐る見上げてみるとリボーンは意地の悪い笑みを浮かべていた。


「どうした?」
「っ!?」


私が放した腕を掴んで、わざわざ顔を近づけて囁いてくる。
ああああもう絶対わかってやってる!意地悪する時の顔だもん!
からかわれてることはわかってても、意志に反して私の顔は真っ赤に、心臓はバクバクに。


「クククッ、こりゃ重症だな。」
「ちょっ…」


バンッ


「10代目!!」
「名前!!」
「名前さん!」
「ななな何ですかー!?」


ドギマギしていると武と獄寺くんとランボが私の部屋に乱入してきた。三人とも慌ててどうしたんだろうか。


「リボーンさんから話は聞きました!」
「やべー病気なんだろ?」
「名前さん死なないでください!」


心配して来てくれたのは嬉しいけど……あああまた心臓がバクバクしてきた…!
症状の原因になる三人を呼ぶなんて、リボーン何考えてんのよ!


「そ、それから本当なんですか?その…」
「名前の病気を治すには、キスしなきゃなんねーって…」
「何言ってんのリボーン!!」
「だって恋するオトメにとって両想いは最高のハッピーエンドだろ。」
「!」


た、確かに……、そう言われるとそんな気もするけど……武と獄寺くんとランボと、キス……なんて、そんな……ダメ!絶対ダメ!!


「あのさ…、名前さえよければ、オレが……」
「ふざけんな!テメーにやらすくらいならオ、オレが…!」
「オ、オレだって名前さんのためならっ…!」
「えっ、ええ!?」


何で三人ともやる気になっちゃってるの!?キ、キスだよ!?しかも、私なんかとだよ!?三人ともかっこいいんだから、私なんかとキスなんて……つりあわなさすぎる…!!


「〜〜ダメ!三人とキスするくらいなら死ぬ!!」
「じゅ、10代目…(そ、そこまでイヤっスか…)」
「名前…(そんな拒絶されるとショックだ…)」
「名前さん…(そこまで嫌がらなくても…)」
「安心しろ。次の島にオレの知り合いの医者がいる。」
「ほんと!?」







next≫≫
≪≪prev