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10


「こんにちは、麗しき名前さん。」
「…誰?」


ボンゴレ4日目。今日の付き添いは…見覚えがないんだけど誰だろうか。牛柄シャツを無駄に肌蹴て着こなして、名前の前に「麗しき」なんてつける寒い人、私の知り合いにはいない。はずだ。


「ううっ…が・ま・ん…!」


私が誰かと聞くとその人は少しポカンとしてから目に涙を溜め始めた。
必死に我慢しようとしてるのはわかるけど…あーあー溢れてきちゃってるよ…。
…って、この泣き方…もしかして…


「ランボくん!?」
「はい!」


私が呼ぶと嬉しそうに返事をするランボくん。
まあ、言われてみれば…。あのランボくんがこんなイケメンに成長してるなんてお姉さん嬉しいよ。


「久しぶり、ランボくん!」
「はいっ!」


笑いかけると、嬉しそうに笑みを返してくれる。うん、やっぱり笑うとまだ幼いかも。
10年前のランボくんは本当ヤンチャで、すぐどっか行っちゃうし手榴弾投げるし……本当手のかかる子どもだった。
まあ、そこが可愛くてしょーがないんだけどね!大泣きしながら擦り寄られたら思わずよしよししちゃうよね!


「名前さんが怪我をされたと聞いたんで見舞いの品を…」
「え!?い、いいよそんな大した怪我じゃないし…」
「お風呂掃除頑張ったで賞です。」
「……」


ランボくんが懐から取り出したのは小さなトロフィー。10年前、確か綱吉も同じようなものもらっていた気が…。
トイレ掃除頑張ったで賞だっけ?掃除頑張りすぎだよランボくん…。


「ふふっ、偉い偉い。」
「わっ、や、やめてください名前さん!もう俺子どもじゃないんですから!」
「私からしたらいくつになっても可愛くてしょうがないの!」


わしゃわしゃとランボくんの頭を撫でる。ふわふわの髪の毛が気持ちいい!
わたわたと慌てるランボくんが可愛いのなんの…。
でもちょっと寂しいな。昔は頭撫でたら擦り寄ってきてくれたのに。だから余計やめたくなくなっちゃう。
孫ができたおばあちゃんってこんな気持ちなのかな。
でも流石にランボくんのトロフィーをいただくわけにはいかないなあ。


「これはランボくんが頑張ってもらったものなんだから、ランボくんが持ってなきゃ。」
「でも…俺他にお見舞いになるようなもの…」
「だから大した怪我じゃないからいいんだって!」
「…マフィアに捕まったって聞きました。」
「大丈夫。乱暴なことはされなかったよ。」


ランボくんがすごく心配してくれてることが伝わってきて、私はそれだけで心が温かくなる。


「…ボンゴレがすごく気にしていましたよ。」
「…ちゃんと助けてくれたのに。」
「それでも…やはり貴方を危険な目には合わせたくないんでしょう。…ボンゴレはそういう男です。」
「……」


そんなこと…私が一番よくわかってるつもりだよ。




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