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07


「よォ、久しぶりだな。」


ボンゴレ邸での1日目。最初に付き添いに来てくれたのは獄寺くんだった。
まあ…別に驚きはしない。綱吉がいるってことは獄寺くんもいるってことは簡単に予想できる。
10年前は自称右腕だったけど、今は名実ともに右腕になれてるのかな。
聞いたら逆に怒られそうだから聞かないけど。彼の表情を見る限り、多分そうなんだろう。


「10代目から話は聞いたぜ。巻き込んで悪かったな。」
「…別に今更気にしませんよー。」


ちょっと拗ねたように言ったら獄寺くんは苦笑した。
その大人っぽさにちょっと嫉妬。私の方が年上なのに。ちくしょう、イケメンだからって…!


「まァ機嫌直せって。これやるからよ。」
「?」


獄寺くんから手渡されたのは一冊の本。
え、そんなお見舞いとかそういうレベルじゃないんだって!足挫いただけだから、私!
そんなの申し訳な…


「ツチノコ大解析…?」
「へへっ…」


うん…あの……いらない。
…なんて、照れくさそうに笑う獄寺くんにはとても言えない。
私は引きつった笑顔で「ありがとう」と、それを受け取った。獄寺くん…10年前からだけど、私のこと誤解してる。
私が図書館での勉強に行き詰まって、息抜きがてらにわけわかんない本でも読もうとして手にとったのがツチノコについての本だった。
それを獄寺くんに見られてから妙な親近感を持たれている。
そして私は頭のいい獄寺くんに度々勉強を教えてもらうことになった。年下だけど。
ぶっちゃけ私が志望校に行けたのは獄寺くんの力が大きい思うんだよね。


「俺はもう一冊持ってるから、それはお前にやる。心配すんな。」


そんな心配微塵もしていませんが。
まあ、人の厚意だからありがたく受け取っておこう。いらないけど。
だってこうも得意気に渡されたらね…感謝の言葉を期待してそわそわされちゃったらね…。


「あれ…獄寺くん、ほっぺどうしたの?」
「ああ……猫に引っ掛かれた。」
「…ほんとに?」
「は?」
「…女の人に引っ掛かれたのかと思った。」
「んなわけねーだろ!」


真っ赤になって怒る獄寺くん。こういうところは変わってないなあ。可愛い可愛い。
多分本当に猫に引っかかれたんだろうな。傷痕を見る限り人の爪より鋭い。ちょっと血が滲んでて地味に痛そう…。


「消毒液塗ってあげる。」
「後で自分でやるからいい。」
「うそ。絶対やらないよね。」
「う…」
「イケメンの顔に傷がつくのは個人的に耐えられないので。」
「なっ…」
「はい動かないでー。」


ここは治療室。ちょっと引き出しを引けば消毒液なんてすぐ出てくる。(今まで暇すぎていろいろ探索しちゃったのは秘密)
綿に消毒液を垂らしてぽんぽん、と獄寺くんの赤い頬にあてる。


「よし、終わったよ。」
「…ありがとよ。」
「ふふ、どういたしまして!」
「うわっ、頭撫でんじゃねェ!」
「あははっ。」




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