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06


「全治1週間ってとこだって。」
「…ありがとう。でも私このくらい…」
「ダメ。ちゃんと完治するまでここにいて。」
「……」
「…俺の気がおさまらないんだよ。本当に、ごめん。」


#nme1#名前、イタリア旅行中ですがボンゴレファミリーとやらのお屋敷に来ています。
怪我といっても、拳銃で撃たれたとか殴られたとか、そんな大層なものじゃない。
綱吉が男たちをやっつけて、さあ帰ろうかってなったときに私が勝手に瓦礫で躓いて挫いただけだ。
なんてバカなんだろう、私…。だからわざわざこんな大きなお屋敷の治療室を私なんかのために使うことないのに。
それに、綱吉が責任を感じることも…ないのに。


「…ごめん。これからは絶対、こんなことにはさせないから。」
「……」


心配してくれるのは嬉しい。けど、違うんだよ…私はそんな綱吉の顔は見たくないの。


「ねえ、綱吉…」
「……」
「私だって…、綱吉の力になりたいんだよ。」
「!」


10年前、綱吉が日本をたつ時に言えなかった言葉。この前の電話で酔った勢いでも言えなかった言葉。
まっすぐ見つめたら、綱吉の瞳は揺れていた。ほら、私の予想と同じ。
きっと困らせてしまうと思ったから10年前もこの前も言えなかったんだよ。
今も言ってしまった後で後悔したけど、言っちゃったものはしょうがない。だって紛れもない私の本心だから。


「俺は……名前を、守りたいんだ。」
「……」


そう返した綱吉は視線を合わせてくれなくて、膝の上で拳を握ってるのが見えた。
違う、私は…そんな言葉が欲しいわけじゃないのに…。


「…ごめん、行くよ。明日から付き添い来させるから。」
「……うん。」


綱吉が出て行った後の治療室はすごく静かだった。




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