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05


「へぇ〜、この女がドン・ボンゴレの幼なじみねェ…」
「……」


名字名前、イタリア旅行中、マフィアに捕まりました。
いつぞや絡んできたお兄さん二人はやっぱりマフィアだったらしく、今私の目の前に彼らのボスらしきふくよかなおじさんがいます。
ドン・ボンゴレ…つまり、綱吉のこと。そして私の幼なじみといったら、やっぱり綱吉のこと。
何で知ってるんだろうって思ったけど、マフィアだもんね…。ちょっと調べれば出てくるもんか。


「しかし…ジャッポーネの女はいいなァ…」


…頭では冷静にごちゃごちゃ考えてるけど、結構なピンチです。
このおじさん絶対よからぬこと考えてる。だってものすごく鼻の下伸ばしてる。
いやいや日本人の女なら誰でもいいってか?いやいやもうちょっと選んでいいと思うよ私なんかで満足しちゃいけないよ。
でも私一人でいる時を狙ってくれてよかった。関係ない友達を巻き込みたくはなかったし。
今ごろ心配してるかなあ…いや、また迷子かって怒ってるかもしれないなあ。
それに、綱吉も。危険な目にあった時のために電話番号教えてくれたのに…かける暇なかったな。
…でもどっちみち私はかけなかったと思う。電話をかける口実は世間話だけでよかったんだ。


「おっと、楽しむ前にボンゴレに報告しとかないとなァ。」
「っ!」


いろいろモンモン考えちゃったけどそうだ私ピンチでした!
目の前のおじさんはとうとう鼻の息まで荒くしちゃっています。
私は両手を後ろで縛られてるから逃げられない。冷や汗が流れるのがわかった。
綱吉は私を巻き込まないために覚悟を決めた……だからこそ私は綱吉の重荷にはなりたくない。


「ボス、こいつの携帯に番号が入っています。」
「そいつァいい!驚くだろうなァ。」
「や、やめてよ!」


私の鞄から携帯が出されて、男の手に渡る。
何でこいつら知ってんの!?もしかして綱吉と接触してたの見られてたの!?
ダメ、綱吉に余計な心配かけさせるわけには…!


ピピピピ


「……え…」


男が通話ボタンを押すと同時に聞こえてきた電子音。壁一枚挟んで向こう側から聞こえる。
男たちもそれを察知したようでバッと後ろを振り返った。


ドゴォッ


壊れた壁の向こうに見えたのは、オレンジ色の炎だった。





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