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03


とあるマフィアとの定期会談の帰り。ボンゴレご用達のワインでも飲みに行こうかと車を降りた時だった。


「ねえ、いいだろう?」
「イタリアのいいところもっと教えてあげるよ。」
「結構です、ありがとう。」
「とってもおいしいワインがあるとこを知ってるんだ。」


…名前、だ。男二人にナンパされてる。後ろに友達2人もいるけど、名前が相手をしてるみたいだ。
今回は一般人っぽいけど…安心はできない。
イタリア人って仕事中でもナンパするからな…ついていったら何されるかわかんないぞ。
名前もそれはわかってるみたいでどうにか振り切ろうとするけど、相手もなかなか引き下がらない。


「10代目…?」
「ん?あれって…」


男が名前の腕を掴んだところでもうダメだ、我慢できない。
獄寺くんと山本の声を後ろで聞きながら、俺は名前たちの方に向かって行った。


「彼女たちは俺の連れなんだ。悪いけど他をあたってくれる?」


男の手を名前から離して、物腰柔らかな笑顔を向ける。
一般人ならすぐ引くから威嚇する必要もない。
案の定男たちは愛想笑いを浮かべてすぐに引いていった。


「つ、綱吉…?」
「……」


振り返ったら名前が目を丸くして俺を見ていた。
ああ…やってしまった…。関わらないって、決めたばっかなのに…。


「…ここはこういうの多いんだから、気をつけろよな…」
「気をつけてるよ。さっきだって綱吉がこなきゃ自分で振り払ってた。」
「できないかもしれないだろ?」
「できるよ。ビンタの一発でもくらわしてやるもん。」
「力になったら適わないんだぞ。」
「……ごめん、ありがとう。」
「あ…ううん、ごめん。」


思わず口調がきつくなってしまったら、名前は素直に謝って、気まずい雰囲気が流れる。
…どうしようかな…この調子だとまた絡まれそうだなあ…。
本当イタリアってナンパ多いんだって。暇があればナンパしてくるんだよ、あいつらは…。


「…名前、携帯貸して。」
「え?いいけど…」


名前から携帯を受け取って、電話帳を開いて新規登録。


「俺の番号入れといたから、今みたいに何かあったらかけて。」
「は?別にあんなの…」
「絶対だからな!」
「…わかった。」


もしこの前のマフィアに狙われるようなことがあってもこれで大丈夫だ。
関わっちゃいけない…それはわかってるけど、守れなかったら意味がない。




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