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黄の観察


今日は待ちに待った誠凛高校との練習試合!
黒子っちと戦えるのはもちろんだけど、三ヶ月ぶりに名前っちに会えるってことで、期待や不安やらで昨日は眠れなかったスわ。


名前っちと最後に会ったのは春休みに入る前。
その後もメールはしてたんスけど、ある日ぱったり返信が来なくなってしまった。
名前っちに嫌われたんじゃないかってすげーもんもん考えちゃったってのに、いざ会ってみると名前っちはフツーで。あっけらかんと「忘れてた」と言い放った。さすが名前っち…!変わってなくて安心したっス。


高校に入って名前っちはまだ一段と可愛くなった。
中学の時よりも伸びた髪に、見慣れないセーラー服……久しぶりの名前っちが新鮮で、最初見た時ちょっと固まっちゃったっス。惚れてるという贔屓目なしにしても、超絶可愛いと思う。こんだけ可愛いと学校で変な虫がつくんじゃないかと気が気じゃないんスよ俺は…!


「黄瀬、お前誠凛のマネージャーと知り合いなのか!?」
「中学の同級生っスけど……何でっスか?」
「運命を感じたんだ!俺は今日、この試合が終わったらあの子にアドレスを聞く!」
「ダメっス!!」


ほら、もう惚れてる人いるし!いや森山先輩ならちょっと予想してたけど!
他校でさえこの状態なんだから同じ高校の同じクラスの男子とか、そりゃ惚れるに決まってるじゃないスか!名前っちは超可愛いうえに性格も良いんだから男子がほっとくわけないっス。
ああもう…!俺と同じ高校に来てくれれば牽制できんのに…!ていうか、誠凛のバスケ部の人達はどうなんスかね!?こんな可愛いマネージャーいたらそりゃ惚れるでしょ。


まず黒子っち……は、名前っちのこと大事に想ってるけど恋愛感情じゃない。近くで見てきたからわかるっスよ。だけど中学の時名前っちに「彼氏にしたいランキング1位」とまで言われた男……侮れないっス…!
他のメンバーでイケメンといえば……5番の人くらいっスかねェ。ま、俺程じゃないけど。しかも名前っちのタイプとはジャンルが違う。名前っちのタイプはどっちかというと……


「大我、はいタオル。」
「おおサンキュ。」
「さっきのダンクかっこよかったよ!」
「おー。」


なんなんスか!?……なんなんスか!?
あの火神とかいうヤツ、黒子っちから評価されてるだけじゃなくて名前っちからの扱いも良いんだけど!俺だって名前っちからタオル手渡してもらったり「かっこいい」って言ってもらいたいのに……なんなんスかあいつ!
極めつけは名前呼びっスよ!「大我」って火神の名前でしょ?
中学の時、名前っちに名前呼びされてたのは黒子っちただ一人だったのに…。その黒子っちだってくんづけだし、名前っちに名前で呼び捨てされる男なんて初めてじゃないスか?
なんか、ズルいっス……名前っちとの付き合いは俺の方が長いのに……高校からのポッと出に名前っちを取られてなるもんか…!
この試合、ますます負けるわけにはいかねーっスよ!


「黄瀬ェ!さっきから相手側のベンチばっか見てんじゃねーよ!」
「あだっ」





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