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いじめ解決

「……で、どうだった?」
「やっぱり視線を感じるっス!」
「俺も感じた。」
「髪短い子でしょ?俺も見つけた。」
「確かにあの視線には恨みがこもっていたのだよ。」


3日間の過剰なまでの護衛の結果、黄瀬の言っていた通り名前の近くには常に人の影が確認できた。


「彼女の名前は大原美月。バレー部所属で、名前とは一年のとき同じクラスだったようだ。青峰、紫原、知ってるか?」
「知らね。」
「覚えてなーい。」
「……だと思ったよ。」


顔さえわかれば名前を割り出すのは赤司にとって造作もないことだった。


「とにかく……相手がわかったのならやることはひとつだ。」


彼女が名前にとって害となるのか……あとは証拠を掴むだけだ。












昼休み。今日は緑間くんからのお昼のお誘いもなく久々に友達とゆっくりご飯が食べられる。まったく、最近のみんなの様子は本当おかしい。バスケしすぎておかしくなっちゃったのかな。


「名前ちゃん!」
「あ、美月だ。久しぶりー。」


購買からの帰り道、1年の時に同じクラスだった友達と会った。そういえば最近話してなかったなあ。


「久しぶり!ねえ、今一人?」
「うん。」
「あ、あのさ、久しぶりに一緒にご飯食べない?」
「うん、いいよー。」


最近はずっとバスケ部とお昼を過ごしていたから特別誰かと約束があるわけではない。適当なグループに入れてもらうつもりだったけど、美月が誘ってくれたなら一緒に食べよう。久しぶりだしね。


「ちょっと待った!!」
「!」
「あれ、どーしたのみんな。」


今日はおとなしいと思っていたのにここにきてバスケ部の登場だ。黄瀬っち、赤司くん、青峰、緑間くん、むっくん、テツくん……勢ぞろいじゃないか。みんなして背がでかいから威圧感すごいんだけど。


「俺たち気付いてたんスよ、君の視線に。」
「……」
「名前っちのこと見てたっスよね。」


黄瀬っちが話しかけたのは私じゃなくて美月の方。あれ、知り合い?にしてはなんだか微妙な雰囲気。


「だったら何で……」
「……?」
「何で、私から名前ちゃんを取るの!?」
「「「「は?」」」」


あの……話の展開についていけないんですけど……。


「ただでさえ今年はクラス離れちゃってなかなか話せないのに、あなたたちバスケ部が一緒にいるから名前ちゃんと話せないじゃん!」
「え……」
「もしかして……」
「あの嫉妬の視線って、俺たちに向けられてたんスか!?」
「私の名前ちゃんを返してー!」


みんなにキレる美月。どうやら私とバスケ部が一緒にいることが気に食わなかったらしい。


「おい黄瀬ェ……」
「いじめられてないじゃん。」
「や、ちょ……え、俺のせいっスか!?」


……ちょっとわかってきたかもしれない。


「なんていうか……私ってばモテモテ?」
「さすがです、名字さん。」
「まあ、こんなことだろうとは思ったけどね。」





■■
中学編はここまでです。
以降、高校編。





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