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いじめ疑惑

「名前っち昨日のドラマ見たっスか!?」
「見た見たー!まさかの展開だったよねー。」


最近、俺が名前っちと話してると視線を感じる。そしてその視線の先には同じ女の子がいる。物陰に隠れて、こっちを恨めしそうな表情で見つめている。
これはちょっと、やばいかもしれないっスねえ…。












「名字がいじめにあってないかって?ありえねーだろ。」


心配になった俺は青峰っちに聞いてみた。
青峰っちはありえないって言うけど、そんなのわかんないじゃないスか。クラスでは普通でも実は呼び出されて暴言を吐かれたり暴力をふるわれたりしてるかもしれないじゃないスか。女の子ってけっこー怖いんスよ。
名前っちは強いから、俺たちに心配させないように気丈にふるまってるのかもしれないじゃないっスか。
俺にとってはもちろん、バスケ部のみんなにとって名前っちは大切な存在だ。だから名前っちを傷つけるヤツがいるなら許せない。


「赤司っち……みんなも、真剣に聞いてほしいっス。」


名前っちを護りたい気持ちはきっとみんな同じなはず。事が大きくなってからじゃ遅いんス。今、この危険性をみんなに知ってもらいたい。
俺は名前っちがいじめられてるかもしれない根拠をみんなに話した。


「黄瀬の気のせいなんじゃねーの?」
「いや!あの視線は絶対嫉妬だったっス!」
「……黄瀬が言うんならそうなんだろうね。」
「名前ちんいじめるとかぜってー許せねーし。ヒネり潰していい?」
「待て紫原。少し調べてみる必要がある。」


相変わらず青峰っちは信じてくれないけど、さすが赤司っちは話がわかるっスね!


「とりあえず極力名前を一人にするな。特に青峰、お前は同じクラスだから頼むぞ。」
「へーへー。」


名前っちは俺たちが絶対に護るっスよ!












「名前っちー!迎えに来たっスよ!」
「………」


最近黄瀬っちがうざい。
何故か急に一緒に登校しようとか言って毎朝家まで迎えに来るようになったし、休み時間もクラス違うっていうのにわざわざ来て中身の無い話をしては帰っていく。いったい何だっていうんだ。
そして様子が変わったのは黄瀬っちだけじゃない。


「おい、どこ行くんだよ。」
「トイレだけど。」
「……俺も行くわ。」
「何青峰気持ち悪いんだけど。」
「うっせー丁度行きたくなったんだよ!」


青峰もトイレに行くタイミングが一緒だったり、移動教室の時すぐ後ろを歩いてきたり……


「名字、これからしばらくは毎日俺たちと昼ご飯を食べるのだよ。」
「え?何で?」
「……いいから、来るのだよ。」
「は、はい…。」


ちょっと強引な緑間くんにときめいたり……


「むっくん、あのさ……」
「んー?」
「何で手繋いでんの?」
「名前ちんが攫われないようにー。」
「子供じゃないんだから……。」


むっくんは過保護になったり。
おかしい。明らかにおかしい。みんなでよってたかって私をからかっているのだろうか。


「赤司くん、みんなの様子がおかしいんだけど……何で?」
「みんな名前のことが大好きらしい。」
「答えになってないんだけど。てか、何でハサミ持ってんの?」
「いざという時に。」
「どんな時だ。」


赤司くんは常に凶器を持つようになった。どうしてこうなった。





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