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キセキのタイプ

帝光中学男子バスケットボール部の皆さんは非常におモテになる。
皆さんと言っても、女子の視線を総なめしてるのはレギュラーの5人だ。
例えば黄瀬っち。イケメンで、スポーツ万能で、明るくて、更にモデルをやってるとなるとそりゃあもうすごい人気だ。女子たちは彼を見かけるだけでキャーキャー言うし、お弁当やお菓子の差し入れは毎日もらっているらしい。まったく羨ましい限りである。
黄瀬っちのファンは幅広いけど、全体的に押しの強いギャルが多めかな。


「名前さあ、黄瀬くんと仲良いよね。」
「うん、まあ。」
「お願い!黄瀬くんの好みのタイプ聞いといて!!」
「名前ちゃん、私からもお願い!」
「私からも!」
「……うん。」







次に赤司くん。
まあ確かに顔はイケメンだね。そして“バスケットボール部のキャプテン”という肩書きも女子中学生にとっては魅力的だろう。
だがしかし私的に赤司くんは性格に難がありすぎると思うんだよ。「俺の命令は絶対」とか平然と言っちゃう人だよ?キャプテンとしての指導力とか統率力はすごいと思う。でも恋人に対してもあんな感じだったら引くわ。
赤司くんファンも幅広いけど、どちらかというと大人のお姉さん系が多い気がする。


「あなたが名字さん?」
「はい、そうですけど……」
「悪いんだけど、赤司くんの好みのタイプ聞いてきてもらえないかな?」
「いいですけど……。」







そして青峰。
青峰も顔だけはいい。そんでスポーツ万能。特にバスケをやってる時は本当に楽しそうで、プレーもかっこいい。勉強はまるっきりダメで教室ではほぼ寝てるか食べてるかの青峰が、バスケで見せる真剣な表情に悩殺された女子は多数。確かに私もかっこいいと思う。あと、いい奴だ。けどそれはあくまで友達としてで、付き合うにはデリカシーが無さすぎると思うんだ。


「ねえ名前ちゃん、青峰くんのタイプってどんな子かな?」
「巨乳。」
「それ以外で!性格とかさ。」
「えー知らないよ。そーいう話しないもん。」
「あんなに仲良いのに?じゃあ今度聞いといてよ。」
「うん、いいよー。」








それから緑間くん。
緑間くんは私の中でイケメンNo.1だ。黄瀬っちより全然かっこいいと思う。あ、顔だけの話ね。キリッとした目に力強い眉毛、セクシーな下まつげ、黒縁眼鏡……そして頭脳明晰。うん、完璧。
だけどね、緑間くんって一言で言うと変人なんだよ。おは朝占い信者故に、その日のラッキーアイテムは必ず持たないと気が済まないらしい。例えそれがくまのぬいぐるみだろうが裁縫セットだろうが必ず携帯してくる。私だったらそんな人の隣を歩きたくない。
それでも緑間くんが好きだと言ってくる女子はやっぱり変わり者が多い。


「名字ちゃん!緑間くんのタイプ知ってる!?」
「知らないよー。」
「じゃあ聞いといて!お願い!」
「えー……まあいいけど。」
「ありがとー!」








最後にむっくん。
むっくんは……イケメンかと聞かれたら私は考えてしまうけど、背が高い。そのくせ可愛いのだ。幸せそうにお菓子をもぐもぐ食べてるむっくんを見てるとこっちまで幸せになってしまう。そんなむっくんに母性本能をくすぐられる女子は結構多いみたい。何考えてるかわからないミステリアスなところもいいんだって。私的にはむっくんはすごくわかりやすいと思うんだけどなあ。
むっくんのファンは全体的におとなしめの女の子が多い。


「あのね、名前ちゃん、紫原くんと仲良いよね?」
「うん。」
「もしよかったら、紫原くんの好みのタイプとか、聞いてもらえないかな……?」
「もちろんいいよー。」
「ありがとうっ。」






もう一度言うが、帝光中学男子バスケットボール部のレギュラー5人はおモテになる。帝光中の女子は大体誰かのファンに属してるってくらいおモテになる。
そりゃわかるけど、何でみんなして私に聞いてくるの?直接聞けばいいじゃないかと思いながらも、可愛い女の子のお願いが断れない私はあっさり承諾してしまうのです。









「ねえ、黄瀬っちの好みのタイプってどんな?」
「!! 名前っち、そんなに俺のことが気になるんスか」
「黄瀬、名字の顔をよく見ろ、今にも鼻くそほじりそうじゃねーか。微塵も興味無さそうだぞ。」
「ほじんねーよ。」
「黄瀬ちんの頭ってほんとおめでたいよねー。」
「どうせファンの女子にでも頼まれたんだろう?」
「赤司くんせーかい。」
「えええそーなんスか!?」
「可愛い女の子のためにも真剣に答えてね、黄瀬っち。」
「そんなの名前っちに決まってるじゃないスか!」
「そういうのいいから。あ、みんなにも聞くから考えといてね。3つくらい答えて。」「んー……まずはソクバクしない子っスね!」
「へー。」
「反応うすっ!」
「はい、次はー?」
「……サバサバしてる子。」
「はい最後はー?」
「……俺のことをモデルとしてじゃなくて一人の人間として認めてくれる人!」
「あざーす。」
「何も反応無し!?つまり名前っちってことなんスけど!」


「次は誰にしよっかなー……じゃあ緑間くんで。」
「何で俺がそんなくだらない質問に答えなきゃいけないのだよ。」
「個人的にも気になるからさ、教えてよ。ね?」
「なっ…!3つ……言えばいいんだな。」
「うん。」
「年上で……煩くなくて……料理がうまい人……なのだよ。」
「なるほどねぇ、緑間くんは年上好きなんだー。へー、ふーん。」
「い、いいから次に行け!」


「はーい。じゃ次青峰ー。巨乳以外でお願いします。」
「はあ?他に何言えっつーんだよ。」
「逆に胸以外で考えられないの?」
「あーー……バスケの話できる奴とか?」
「出たーバスケバカ。」
「うるせー。あとは……そうだな、言いたいことは言う奴。」
「へー。喧嘩しそうだね。」
「うるせー。あと……んー……何かに真剣に取り組んでる奴。」
「…意外とまともに答えたね。」
「うるせー。答えろっつったのは名字だろ。」


「じゃー次はむっくんね。」
「んーとねー、お菓子くれる子でしょー」
「うんうん、だろうね。」
「そんで、お菓子作れる子でしょー」
「うんうん、そうだね。」
「あとはー……俺がお菓子あげてもいいって思える子かなー。」
「おお、すごく説得力ある…!じゃあ最後に赤司くんどうぞ!」
「これに答えて何になるんだ?」
「私が可愛い女の子から感謝される。」
「………。」
「てか、そもそも赤司くんって女の子に興味あんの?彼女欲しいとか思ったことないの?」
「今のところは必要性を感じないが……そうだな、賢い子の方がいいな。」
「赤司くんの『賢い』ってハードル高そう。」
「頭が良いじゃなくて、賢い子だよ。」
「よくわかんないけどまあいいや。2こめは?」
「……従順な子?」
「うっわ出たよ赤司様。」
「いや、でも生意気な子を服従させるってのも悪くない……」
「もう赤司くんいいよ、ありがとう。あと、是非テツくんのも聞かせてほしいんだけど……」
「僕ですか?」
「うん。個人的に気になるんだよねー。(後でさつきに教えてあげよう。)」
「僕は……優しい人、ですかね。」
「(はにかみ可愛い…!)」
「あとは細かいことに気づける人とか……」
「ふむふむ。」
「それから……名字さんみたいに話しやすい人がいいです。」
「テツくん…!(きゅん)」
「黒子っちズルいっス!」
「……俺は戻るよ。」
「ふん、くだらないのだよ。」
「名前ちん、お菓子はいつでも受付中って言っといて〜」
「あーー次の授業サボろっかな。」
「(みんなが言った好みのタイプ、ほとんどが名字さんに当てはまってることに気づいてるんでしょうか……。)」





■■
キセキのタイプは一部捏造です。




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