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桃とガールズトーク

「本当に名前が来てくれてよかった!」
「あはは、ほぼ強制だけどね!」


名前がバスケ部のマネージャーになってくれてから本当に助かってる。
マネージャーと言っても私の本業はどちらかというと情報収集にあるから、正直選手たちのサポートまで手がまわらないのよね。今では選手たちのサポートはほぼ名前に任せている。
名前は人当たりがいいからみんなともすぐに打ち解けたみたい。正直、予想以上だよ。


「……で!」
「で?」
「名前は誰が本命なの!?」
「はい?」


女の私から見ても名前は可愛い。ジャンル的には清楚なお嬢様って感じかな。……あくまで見た目だけね。中身はサバサバしててすごく話しやすい。
がっかりする男の子もいるかもしれないけど、私はこっちの方が素敵だと思う。実際にきーちゃんとはムッ君とかすごく懐いてるし。


「好きな人いないの?」
「福山さん。」
「そういうのじゃなくて!」


そんな名前の色恋関係は告白を断ったとかそういう系しか聞かないから、気になってたんだよね!
一応うちのバスケ部ってイケメン揃いって言われてるし、テツくんを始めとしてバスケしてるみんなはかっこいいし、名前だって誰かの頑張る姿にグッときちゃうんじゃないかなあ。


「きーちゃんは?かっこいいし!名前のこと大好きだよね。」
「まあ私も好きだけど……こう、犬を手なずけてるみたいで。」
「………」


あ……なんか今すごく納得しちゃった。ごめんね、きーちゃん。そしてドンマイ!
きーちゃんは誰の目から見ても明らかに名前のことが好き。その好きは確かに名前が言った通り、まだ「懐いてる」って言った方が正しいと思う。
ほら、きーちゃんモデルやってて女の子に人気だから、名前のサバサバした対応が新鮮で嬉しいんじゃないかな。
でも、その好きが一人の女の子に対しての好きに変わるのも時間の問題だと思うんだよね。女の勘!


「じゃあムッ君!よく一緒にいるよね。」
「うん。バスケ部じゃ一番仲いいかな。お菓子仲間。」


ムッ君とは1年の時同じクラスだったからか仲良し。
クラスが離れた今でもよく一緒に購買言って一緒にお菓子食べてるのをよく見かける。あのムッ君が名前にはすんなりお菓子あげてるのを見た時は吃驚したなあ。
でもやっぱり恋愛感情じゃないんだね。それは見ていてわかる。
ムッ君は…どうなのかな。何考えてるかよくわかんないんだよね。今のとこっろ恋愛感情じゃないと思うんだけど……ムッ君もこの先発展する可能性あるなぁ。


「青峰くんは?最近仲いいよね。」
「席近いからかな?そこら辺の女子より話しやすくて。」


青峰くんとは現在同じクラス。青峰くんってガキだから私以外の女の子にはドギマギしてぶっきらぼうになっちゃうんだけど、名前に対してはそんなことないんだよね。
自分から積極的に構うし、笑うし。最初見た時はちょっと意外だった。二人の関係を表現するには確かに仲の良い友達が最適かな。前に青峰くんに聞いてみたら同じこと言ってた。男友達みたいだって。
でもでも…もしこの先青峰くんが名前のこと好きになったら、すごく素敵だと思うんだ!そしたらテツくんと私、青峰くんと名前でダブルデートとか……す、すごくいい…!


「えーっと……ミドリン!一番名前のタイプじゃない?」
「タイプだからこそ理想にとどめておくべきなのだよ。」


名前の好みのタイプはきーちゃんみたいな爽やかイケメンじゃなくて、ミドリンみたいなクールインテリイケメン。つまり、ミドリンは一番名前の理想に近いということなのだよ!
だけどあっさり否定されてしまった。まあ、ミドリンはウブだからなあ。もうちょっとグイグイいったら名前だってドキドキすると思うんだけどな。


「もしかして赤司くん?」
「一番ありえない。」


あはは、予想はしてたけど即答……。
別に赤司くんと仲が悪いわけではない。っていうか、むしろ仲良しっていうか、距離が近いっていうか……お互いに信頼してるって感じかな。赤司くんも名前の言葉にはちゃんと耳を傾けるし。
うーん、あとは……


「ま、まさかテツくん…!?」
「中身は一番素敵だと思う。」
「!!」
「あはは、さつき可愛いなあ。ないから安心して。」


名前もテツくんのこと好きだったらどうしようかと思ったけど……どうやら違うみたい。良かったぁ……。


「えっと、他には……」
「ていうか、そもそも私はバスケ部の誰かと付き合わなきゃいけないの?」
「だって……一応みんなイケメンだよ?」
「一応ってつけるあたりさつきもわかってるよね、難有りだって。」
「あはは……。」


名前の言ったことは確かに的を得ていて言い返せなかった。本当、みんなかっこいいのに勿体無いよね。


「まあ……あえてあげるなら虹村先輩かな。」
「えっ!」


そういえば……確かに名前と虹村先輩が話す機会って多いし、この前頭撫でられてて名前もまんざらじゃなかったし……そうだったんだ…!確かに、お似合いだよっ二人とも!


「なんだかんだ後輩の面倒見いいし、細かいことに気付ける人だし、顔もかっこいいし。目と眉のバランスが最高。頭撫でてもらうの好きなんだよね。虹村先輩に真剣に迫られたら私断れないなーって、そんなことあるわけ……」
「わかったよ名前!協力するから、一緒に頑張ろうね!!」
「……え?」


私の情報によれば今虹村先輩に彼女はいない。
よーし、名前のために先輩の好きなタイプとか食べ物とか、リサーチするから待っててね!





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