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エース様の恋愛事情B

名前さんは否定してたけど、あんなんじゃ俺は納得しないね!
エース様の恋を全力で応援すると決めたからにはガンガン攻めてくぜ!
まずはとにかくコミュニケーション!ってことで…



「名前さん!一緒に帰りましょー!」
「ん?いいよー。」










「高尾、帰るぞ。」
「あ、今日は俺一緒に帰らねーから!」
「?」
「もうすぐ名前さん来るから、ちゃーんと送ってけよ!」
「っ!?待て。ちょっと待て。」
「いだだだだ」



粋な計らいをして颯爽と帰ろうと思ったら真ちゃんに半端ない力で肩を掴まれて阻止された。
ちょ、身長180越えのバスケマンに肩掴まれたらそりゃ痛いって!



「先輩が来るとは、どういうことなのだよ…!」
「んー?俺が一緒に帰りましょーって誘っといたから、うまくやれよ!」
「意味がわからないのだよ!お前が誘ったのに何で俺が…」
「だって真ちゃんのために誘ったんだもん。告白しろとは言わねーから、せめていい雰囲気になれよ〜。」
「ふ、ふざけるな!先輩と2人で帰るなど……!」
「えー?嬉しいくせにー?」
「……嬉しくないわけではない。が、2人きりは無理だ。お前も来い、高尾。」
「ぶっは!わーったよ、貸し2つな!」
「なっ…」



名前さんが来るとわかった真ちゃんはめちゃくちゃ焦った。
俺的には2人きりで帰っていい感じに…っていうのが計画だったんだけどなー。
真ちゃんにここまで不安な顔されちゃーなぁ?もうちょっとだけ力を貸してやろうじゃねーの。



「お待たせー。」
「いーえ!」
「あ、緑間くんもいるんだ。まあそうだよね。」
「何すかその反応w」
「だって2人っていつもセットじゃん?」
「そんなことありません。」
「即答で否定すんなよ緑間!」
「あははっ!」



うーん…こうやって改めて意識して見ると……真ちゃん名前さんのこと好きすぎっしょ。
名前さんが来た途端いつも以上に背筋伸ばしてるし、眼鏡直す回数多いし、ほんのり顔赤いし…
名前さんの笑顔チラチラ盗み見てんのバレバレだから!あー面白い!



「あれ、先輩チャリじゃないんすか?」
「うん、歩いて10分くらいだから。」
「危なくね!?いつも誰と帰ってんすか!?」
「んー、その時いる人かなー。大坪とか木村とか宮地とか。」



これはいいこと聞いた!
夜に女の子が歩いて帰るなんて危ないし、特定の人と帰ってるわけでもないならそこに付け入らなきゃ!



「今日は一緒じゃないんすか?」
「うん。塾とか家庭の事情で早めに帰ったから、今日は私が鍵閉め当番。」
「言ってくれれば俺らやるのに!なぁ真ちゃん。」
「ああ。」



ああじゃなくて!そこは「これからは俺が送っていきます」って言うところだろーが!
つかもっと喋れ!さっきから喋ってんの俺と名前さんばっかじゃねーかよ。せめて視線くらい合わせろっての!



「おい喋れよ緑間!」
「……」



このままじゃ俺の計画が台無しになっちまう。
俺は名前さんの死角で真ちゃんを小突いた。



「先輩は…、何でバスケ部に入ったのですか。」
「(ちっげーだろ!好きなタイプとか聞けよ!)」
「んー……いとこがバスケ部だったからかなぁ。」
「中学ん時もマネージャーやってたんすか?」
「ん。高校まではやるつもりなかったんだけど…」
「けど?」
「…すごい試合を見ちゃったからかな。」
「すごい試合?」
「うん。それに感動して、やっぱ続けよって思って。そんな単純な理由です。」



確かにここのバスケ部って男でも吐く程厳しいのに、そんな中で名前さんは3年間も過ごしてきたわけだ。
そりゃバスケ好きじゃなきゃ続けられねーよな。
やっぱ真ちゃんとの共通の話題っつったらこれくらいしかねェよな。
先輩がバスケ好きで良かったな真ちゃん。あ、だから惚れたのか。



「結局試合観戦が好きなんだよね。」
「じゃー緑間のスリーとか見応え抜群なんじゃないすか?」
「もちろん。あんなの反則!最初見た時信じられなかったもん。」
「ですよねー!」
「………」
「ウチに来てくれてありがとね、緑間くん。」
「!」



この時の真ちゃんの嬉しそうな顔ったらもう、写メして他の先輩達に送り付けたい程だった。



「…あ、じゃあ家ここだから。送ってくれてありがと、2人とも。」
「いえ…」
「むしろ毎日でも送るっす!」
「ふふ。気をつけて帰ってね。」
「はーい!」
「…また明日。」
「ん!」



流石徒歩10分と言っていただけあって、あっという間についてしまった。
まあ真ちゃんにとったらこのくらいの時間が丁度いい…っつーか、ギリギリ?
マジお前俺がいなかったらどうしてたんだよ。



「…おーい真ちゃーん。もうちょい喋れよなー。」
「…十分喋ったのだよ。」
「嘘だろ!?」







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