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エース様の恋愛事情A




真ちゃんが名前先輩に恋をした。
本人から直接聞いたわけじゃねーけどアイツの態度で確信した俺は全力で応援することに決めた。
…ってことで、まずは相手のリサーチだ。
真ちゃんの恋の相手、名字名前さんは我が秀徳高校男子バスケ部のマネージャーだ。
学年は3年で大坪先輩と同じクラス。性格は気さくなおねーさんって感じ。
靴紐ほどけてるのを教えてくれたり、スコアボード出してないことを宮地さんが怒る前に指摘してくれたり、
細かいところによく気付く人だと思う。それでいて俺達1年にも分け隔てなく平等に接してくれる。
そーいえば入部して1週間も経たずに進入部員全員の名前覚えてた気がすんな。
髪は茶髪のショートヘア。身長は160くらい。スラっとしたモデル体型。
そして肝心なのは、真ちゃんをどう思ってるかだよな。
こればっかりは観察しててもわかんねーから直接聞くっきゃないっしょ!



「名前さーーん!」
「んー?どしたの高尾くん。」



誰かに聞かれるとまずいから、俺は部活終了後外の水道でボトルを洗う名前さんに声をかけた。



「特に用はないんすけど……あっ、今日の真ちゃんのラッキーアイテム知ってます!?」
「んーと……うさぎのタオルだったかな?」
「そーそれ!まじ爆笑!」
「あはは、まー可愛いよねぇ。」



俺的には、名前さんも緑間のこと気になってんじゃねーかと思うんだよね。
ほら、今日の真ちゃんのラッキーアイテムだって把握してるし。普通見てなきゃわかんねーよな?



「そーだ名前さん!真ちゃんの好みのタイプ知ってますか?」
「えー知らなーい。」
「年上らしーんすよ!年上!」
「…へーえ。」



なーんか反応さっきから反応薄いけど、それが逆に演技してるように見えちゃうんだよなー。
ボトルを洗う手が一瞬止まったの、見逃さないっすよ?



「年上の名前さんから見て真ちゃんのこと、どう思います?」
「…なーに、私と緑間くんをくっつけようとしてるの?」
「へっ!?」



げっ、バレてる!いやまぁ、我ながらあからさまだとは思ったけど……もーいいや!



「いや…まー、ぶっちゃけ好きなんじゃないかなー…って?」
「……あのねえ。」



魂胆をぶっちゃけると、名前さんは呆れたようにため息をついた。



「今は大事な時期なんだから、マネージャーの私が恋だの何だのなんて、迷惑になるだけでしょ。」
「………」
「ほら、早く帰りなさい。」
「…はーい。」



その言葉はまるで、俺じゃなくて名前さん自分自身に言い聞かせているようだった。
決定的な証拠はないけど、好きなんじゃないかなあ…。






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