krk | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -



エース様の恋愛事情@


真ちゃんが恋をした。
…つっても、本人から相談を受けたわけじゃない。つか、真ちゃんが恋の相談とかありえねーから。
まー単なる俺の予測だ。でも確信はある。
何故かって?そんなん、真ちゃん見てればわかるっつーの。
恋のお相手は名字名前さん。3年生の先輩でバスケ部のマネージャーだ。



例えば……そーだな、真ちゃんはクソ真面目だから練習中はバスケのことだけに集中している。
だけどボールの片付けだとかシュート練の待ち時間だとか、少し練習から離れる度にその視線は名前さんを探している。
休憩時間に名前さんからドリンクを受け取る時の真ちゃんの嬉しそうな顔ったらもう…!写メして本人に見せてェわ。
他にも名前さんが宮地さんとか大坪さんとかと話してるとそわそわしたり、授業中に窓の外をぼーっと眺めてると思ったらそこに春子さんがいたり。
こりゃーもう「好き」以外の何でもねーだろ。
いやー、エース様がマネージャーに恋しちゃうなんてねェ……超面白そうじゃん?
こうなったら俺、高尾和成は全力をあげてエース様の恋を応援しちゃいます!










「真ちゃん!名前さんのこと好きっしょ?」
「………いきなり何なのだよ…。」



というわけで早速本人に問い詰めてみた。
あれ、もっと慌てふためくと思ったんだけど反応はいたって冷静…っつーか呆れてる感じ?



「俺が先輩のこと……など、あるはずがないのだよ。」
「ぶっはww」



文章では何故俺が噴いたのかわからないだろうから説明させてもらおう。
真ちゃんは平然を装って答えたつもりなんだろーけど、ズレてもいない眼鏡を何度も指でクイクイと動かして……
動揺してんのバレバレだから!こりゃーもう決定的だね!



「今更隠すなって!真ちゃんちょーわかりやすいから!」
「!?」



そう言うと真ちゃんは「まさかそんなはずはない」と驚愕の表情を見せた。
ほんとわかりやすいわー。あんなに嬉しそうな顔しといてバレてないとでも思ってたのかねぇ。



「それにしても名前さんかー。真ちゃん年上好きっつってたもんね。」
「べ、別に…素敵な女性だとは…思うのだよ。」



うん、俺から見ても名前さんは「素敵な女性」だと思う。
こう、サバサバしてて、でも優しくて、話しやすくて……そんな感じだ。
そんな名前さんを「素敵な女性」だと表現した真ちゃんは今までになく穏やかな表情をしていて、ああ、本気なんだなと伝わってきた。



「真ちゃん…俺全力で応援する。」
「いらん。」
「即答!?」



真ちゃんの真剣な想いが報われてほしくて真面目に言ったのに、即答で拒否された。酷くね?






next≫≫
≪≪prev