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07

 
「……」


シャワーを浴びた後、洗面所の鏡の前でにこっと笑ってみる。
侑くんは特別可愛くもないこの笑顔を褒めてくれた。そう思うとなんだかむずがゆくて笑顔がぎこちなくなった。
「特別になりたい」って、どういうことだろう。こうやって毎日ラインしたり、2人きりで出かけたりする時点でもう特別だとは思うんだけど……。



+++



「どうもこうも猛アタックされてんじゃん。」
「脈ありまくりじゃん。」


昨日のことを説明しろと迫ってきた友達に相談したらあっさりと答えが返ってきた。


「いいなー、宮兄弟から迫られたら断れないわ。」
「名前もついに人のものになってしまうのか。」
「え、ちょ、勝手に話進めないで……!」
「え!?まさか断るの?」


私を置いて盛り上がる友達に釘をさす。なんかもう、私と侑くんが付き合うみたいなことになってるんですけど…!


「断るも何も、別に好きと言われたわけじゃ……」
「そんなん言ったも同然じゃん!」
「なに、『特別になりたい』とか!私ならその時点で悶絶KOだわ。」
「名前イケメンへの耐性強すぎない?大丈夫?」
「バレーしすぎて恋愛脳どっかいっちゃった?」
「し、失礼な!」


散々な言われようだ。2人とも酷い。


「あ、それとも噂の"ノヤくん"がいるから?」
「だから、ノヤくんはそういうのじゃないんだって!」
「私赤葦くんと名前もアリだなーって思ってた。」
「あーわかる!いいよね、2人のセット。」
「セット……?」


ノヤくんは……確かに大好きだし特別な人なんだと思う。けど、何回も言ってるように付き合うとかは……想像できないんだよなあ。何で赤葦くんが出てきたのかはわからないけど、赤葦くんと付き合うっていうのも想像できない。
だって、付き合うとなると……ちゅーとか、するわけで……。


「まあとりあえず、宮くんがガチで名前を狙ってるのは間違いないでしょ。付き合う気ないなら序盤できっぱり断った方が相手のためだよ。」
「さすが恋愛マスター!」
「ふふ、よせやい。」


一瞬頭の中で侑くんとキスする自分を想像してしまって慌てて首を振る。


「……そこで!鈍感バレーバカの名前に朗報です。」
「今の悪口……。」
「白学法学部男子との合コンの席に招待しましょう。」
「……え?」


いったい今の話の流れでどうしたら合コンに招待するってことになるの。それって私にとって朗報なの。


「一回いろんな男を見てみればわかる……宮くんのスペックがどれだけ高いか。」
「スペックとは……」
「白学法学部って頭いいとこじゃん!いいなー!」
「わ、私合コンとか行ったことない……!」
「うん知ってる。」


誘ってくれるのは嬉しいけど、今までそういう席に参加したことがないからどうしたらいいのかわからない。それなりに人見知りだってする。場を盛り下げてしまったらりっちゃんに申し訳ない……。


「別に普通にお話するだけだからさ。社会勉強のつもりで来てみなよ。」
「りっちゃん的にも男目的じゃない女子が参加した方が都合いいからでしょ。」
「バレたか。」





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