「、よっと。おっとっと。」


一匹、一匹と普通の木の枝で犬を倒していく青年に呆気にとられながらも死への恐怖は薄れていった。


「はいはい、終了っと」


しばらくすると、沢山いた犬は逃げたのか、いなくなっていた。


「怪我ない〜?」


ニヘラと笑いながら問いかけてくる青年につい「ない。」と素直に答えてしまい、慌てて口を押さえる


「そっか、そっか。」


笑いながら、頭をぽんぽんと撫でてくる青年に警戒が徐々に薄くなり、
無意識に自分から頭を擦りつけていた。


「へへへ〜って、傷口開いてんじゃん!!」


笑っていた青年が突然叫んだ、それに驚いて肩をびくつかせる。


青年の視線の先を見ると私のお腹の傷で、血がポタポタと垂れていた。


青年は傷口を見て顔を歪ませると
私をいきなり持ち上げて、片手で私を抱えるように抱いた。


つ、連れてかれるっ!!


慌てて暴れようとすると
私を抱く手と反対の手で頭を撫でて「大丈夫だから」と
呟いて走り出した青年。


私は助けてくれた青年なら信じてもいいかもしれないと思い
彼の腕の中で、じっとしていた。





あなたなら信じてもいいかもしれない


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