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『次はどこに行くの?重弥さん。』


そう聞くと重弥さんはどこか遠い目をして、昔世話になった人の所だと笑って答えてくれた。


それにしても、なんてここは暑いんだろう…


私たちのまわりは、まるでジャングルのように南の方特有の木々が生い茂っている。


九州はこんなに暑いのか……


私やサブ、佐和さんは先ほどから幾度となく休憩をとっているが、まだまだ重弥さんは大丈夫そうだ。


……この暑さに慣れてるのかな?


しばらく歩いていると森がはれてまるで南国の砂浜のような場所に出た。


『う、わ……すごい。』
「ひゃ〜綺麗な場所だねぇ。」


憧れの南国の風景に思わず感嘆の声を上げる。


そしてよく見ると、ヤシの木とヤシの木間のハンモックで眠っている人影を見つける


隣の重弥さんを見上げると、その人影を凝視して小さく「義弘様……」と呟いていた。


あの人が重弥さんの世話になった人?


他の2人を見てみると、どやら知り合いなのが表情でわかった。


私が1人、森と砂浜の境目でじっとしていると
歩きだしてハンモックの方に向かっていく重弥さんたち

それに着いていこうと、私が一歩足を踏み出した瞬間なにかよからぬ気配を感じて慌てて飛び退く。

すると、私がいた場所にいくつかの石がドサドサと落ちてくる。


『……』


石が飛んできた方向を目を細めて見つめる。

苦笑いして任せた、相手してやれ、と目で語りかけてくる重弥さんたち。


『はぁ…』


私は、ため息をついて石を飛ばした子がいるであろう、木に向き直った。





……はぁ、私も疲れてるのに


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