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この城にやって来て数日、どうやらやーちゃんはまわりからよくは、思われてないみたいだ。
この時代だと、仕方ないかなと思うも、やっぱりそれは、悲しい。
そして、仲の良い私だからこそ頼まれたこと。
それは、彼を本当の男にすることだ。
本当はそんなこと遠慮したいところだが、一般人の私はお侍には逆らえない。
でも、やーちゃんって見た目こそ女の子だけど、心は男の子だよね?
だって、私が着物を肌蹴させた時、鼻血だしたし、男言葉だったし。
ただ、やーちゃんは優しいから本当に戦に行きたくないんだろう。
戦では人を殺す。
ましてや彼は殿様の嫡男、きっとその内に大将として戦に出る事になるだろう。
そうなると、自分のために沢山の人が死ぬ事になる。
それがきっと優しい彼は嫌なのだ。
だけど彼はやっぱり男の子なので、彼と私との会話の中では男の子が好きそうな話がほとんどだ。
まぁ、私は意図的に出しているんだけど……すまない、やーちゃん。
『私、この城に来る時に船員さんに釣りを教えてもらったんだけど、やーちゃんは釣りできる?』
「勿論!!名前、後で私と行きませんか?」
ん〜食いつくなぁ、やっぱり男の子だなぁ。
『じゃぁ、後で行こっか。』
「はい!」
っく、笑顔が眩しい…!
釣りのために船に乗った時には、勿論あれをやった。
『野郎どもおぉ!!!出航だあぁぁ!!!』
私は、船首に片足を乗っけて海に向かってたからかに叫ぶ。
探し物を探しに行くっぜ!!なんてね。
「うおおおぉぉぉ!!!」
そしたら船員さんたちも2回目だからか、一緒に海に向かって高らかに叫ぶ。
男の野太い声が素敵だぜ。
「ど、どうしたんですか名前!?」
それに、うろたえるやーちゃん。
そんなキミもcuteだぜっ
『海賊だよ!やーちゃん!』
キミという宝物をさらってしまおうか。
海とは男の浪漫なのである。
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