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「うわああぁぁぁっっっ!!!」


朝、響きわたる泣き声。

私は慌てて飛び起きる


『っえ?っえ!?』


そして、ドタバタと部屋の前まで走って来る子供の人影


『べ、弁丸様?』


声をかけると泣き声混じりの声で名前を呼ばれる


「名前殿、そ、某っひく、武士の子としてあるまじきっひく。」
『ちょ、着替えるんで待ってて下さい。』


ドタバタと着物に着替える。


『お待たせしました。どうしたん「名前殿おぉぉぉぉぉ!!!」っう"。』


障子を開けたとたんッドスとお腹に鈍い痛みがはしる。


『ぐ、ぐるしいでず、弁丸さ、ま、、、』


まるで絞め殺さんというような締め付け。

こいつ本当に私より、子供なのか。


「そ、某が夜中厠に行く勇気がなかったばっかりに……」


そこまで言われて気づく。

弁丸様お漏らししたのか……
私に掃除しろってか?

若干遠い目をしながら弁丸様をお腹にひっつけたまま弁丸様の部屋まで行く。

そこには、既に騒ぎに駆け付けた女中さんが数名いて布団を片づけていた。

よかった、私は洗わなくていいのか。


「弁丸様、着替えて来て下さい。」


よく見れば弁丸様の着物は濡れた後がある、ついでに私の着物にも。

弁丸様、私に抱きついた時につけたな……

弁丸様を恨めしく思うも、まぁ、子供だからしょうがないか、となってしまう。

子供って色々得だなぁ。


弁丸様を近くにいた女中さんに引き渡して、私も着替えに行く。

後で、洗うの女中さんに頼もう…






着替えも終わり食事も終わり、縁側なう。

弁丸様と2人でぼぉっと庭を眺めている。


『弁丸様、昌幸様はどうしたんですか?』


そういや、今日は昌幸様を見てないなと思って聞く。


「父上は一度上田に戻ったでござる。」


そうか、昌幸様上田城に帰っちゃったのか。

あの人は目の保養になるから日に一度は見ておきたかったのに…


ちなみに上田城っていうのは、真田の城らしい、よくわかんないけど。

だから、弁丸様も私たちが来ると聞いて、
態々こちらに滞在してるんだと、すみませんね対して面白い集団じゃなくて。

弁丸様は面白くなさそうに庭を見ている、うん、やっぱり面白くなくてすみません。


『そういえば、弁丸様昨日何故、夜中に厠に行けなかったのですか?』


ギクリと肩を揺らす弁丸様、はは〜んこれは何かあるな。


「………そ、某何時もは厠に1人で行っているでござる。」
『じゃぁ、なぜ昨日行けなかったんですか?』
「っう、それは……」


っぐ、と顔をゆがめる弁丸様、彼は嘘がつけないタイプだな。


「…………い、いつもは某、佐助や忍に一緒に行ってもらうでござる。」


ポソリと小さい声で言う弁丸様、うん、うん、素直なのはいいことどよ。

まぁ確かにこの時代のトイレは暗いし怖いし1人では、行きずらいよね。
っあ、私はちゃんと1人で行ってるからねっ!!


『そうですか〜、でも何故昨日だけ?』
「…っぐ………っそ、それは、、、、き、昨日は名前殿がいるので、某1人でも大丈夫と…」


どこの世でも、男の子は見栄っぱりなもんなんだね。

女の子にかっこいいところを見せたかったわけね。


『じゃぁ、明日からは厠に行きたくなったら私を起こして下さい。』
「だが、それじゃぁ……」


私を戸惑ったような顔で見る弁丸様。


『実は私も夜中厠に行くのが怖くて仕方がないんです
だから弁丸様、私の護衛として一緒に厠に行きましょう。』
「そ、某武士の子として名前殿をしっかり護衛いたす!。」


護衛という言葉にパアっと表情が明るくなる弁丸様。

うん、こうやって、何か口実をつければ恥かしくないよね。

よかった、よかった、これでしばらくはお漏らしがなくなるかな、?





ただの見栄っぱり


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