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今日もまた、私たちは元気に山賊狩りをしております。


その間に何度か団子屋に寄った。

何故かその度にあの少年がいる。

なぜだ、貴様私をストーキングしているのか。

何をしているのか聞けば、若様にお使いを命じられたそうだ、若様中々鬼畜だな。


そして、会う度に人生相談的なのをされる。

どうやら最近では、表情も明るくなったし、若様との関係も順調なようだ。


よかた、よかった。




『佑介くんは本当若様が好きだねぇ。』


そうそう、彼の名前は佑介というらしい、いつまでもキミじゃぁねぇ。


「好き?」


そして相変わらず、自分の感情には疎いようだ。


『そう、好き。だって、好きな人って守りたい
し喜んでもらいたいじゃん。』
「…名前は好きな奴がいるのか?」


私の目を見て聞いてくる佑介くんに笑いながら頷く
すると、目を見開いて驚く佑介くん。

私だって好きな人位いるよ。


「それは、誰だ。俺の知っている奴か?」


ずいずいと迫りながら聞いてくる佑介くん。

ちょ、真顔怖いって。


『、、、サブとか?』
「三郎か…」


勿論私は、サブだけじゃなくて皆のことが好きだ。
だけど彼と共通の知り合いはサブしかいない。

まぁ、私とサブが2人で団子の買い出しに良く行くからだけど。

そして、彼はサブの事を三郎と呼ぶ、本人は気にしてないみたいだけど。

一応年上なんだけどね…。

佑介くんは、眉間にしわを寄せてこっちを見てくる


「どこが好きなんだ」
『あの気の抜けた話かたとか?』


サブのあのアホっぽい話かたは嫌いじゃない。


『後は、俺様とか言っちゃうとことか?』


子供のように見栄をはって、さっすが俺様だよね〜っていうアホっぽいところはわりと好きだ。

あれ?でも、これってつまりサブのアホっぽいとこが好きってことか?

あはははは〜と笑ってると、ガシリと肩を掴まれる。


「あれは、やめとけ。」


佑介くんを見ると目が本気で地味にビビる。


『いや、だって好きなんだからしょうがない。』


アホなところがとは心の中で付け足しといた。


そう言えば、佑介くんはっじっと眉間にしわを寄せ何かを考えだした。


結局その後、別れるまで佑介くんのその眉間のしわは取れることはなかった。





あの子の好きな人


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