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俺の名は猿飛佐助

真田昌幸様の御子、弁丸様つきの忍だ。


弁丸様は団子が好物だ、だから任務の帰りに団子を買ってきてやる。

そうすると、とても喜んで下さるのだ。


ある日いつものように弁丸様の世話役をしていると俺が自分は弁丸様の道具だ、と言えば突然弁丸様が泣きだした、なぜだ。

訳のわからぬまま任務に行き、その帰りにまた団子屋によった。


そこで、弁丸様のようなことを言う女に会った。

その時、女に何故弁丸様は俺の事を道具ではないと言ったのかなど、聞いてしまった。

忍としてどうかと思うが、別に情報を漏らしたわけではないのでよしとする。


女の言うことは、なんとなく的の得たものばかりで、だけど他の者とは明らかに考え方が異質だった。


そのあとも何度も女と団子屋で会った、その度に弁丸様に対する接し方などを教わっていた。

そのおかげか、弁丸様とも打ち解けていけたような気がする。

その内俺は、団子屋に行くたびに女、名前の姿を探した。


姿はないときは、妙に胸に穴が空いたような気持ちになった。

そして、名前が団子屋にいた時は暖かいような胸の奥が締め付けられるような気持ちになった。

これを、感情というのだろうか。



ある日、また団子屋で名前に会った
その時、俺が弁丸様のことが好きだなんて言われた。

確かに、俺は弁丸様を義務としてではなく今では自分の意思で守りたいと思っている。

だが、それは名前に対しても言えた事で
なるほど、俺は名前が好きなのか。

そう思うと妙に納得できた自分がいた、俺の中で気づかぬうちに名前の存在は大きなものになっていたようだ。

そして、なら名前に好きな奴がいるのかが気になり問いかけた。

すると、名前はいると答え、しかもそれが三郎。

ありえない。

三郎は、何度か名前と一緒にいるところを見た。

名前は三郎と後2人とで旅をしているのは、知っていたが、三郎に対してそんな感情を抱いてるなんて。


内心焦りながら。
どこが、好きなのか問えば話方と自らを俺様と言うことだそうだ。

話方といえば、三郎の話かたは気の抜けた阿呆のような話かただ。

それに、自らを俺様と言うのかアイツは、阿呆だな。


それを、名前は好いているのか…





彼の中の揺れ動く気持ち


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