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団子がおいしい季節になり、今私は小田原にいたりする。
目の前には大きくてすごく綺麗な桜。その周りにはいつもの3人。
お花見なう。
ここいらで有名なお団子屋さんの団子をまた口に含む。
うむ、おいしいな。
視線を桜に向けたまま次の団子に伸ばす。
すると、その手が誰かと重なる。
「『む、』」
見ると、私と同じように口に沢山お団子を詰めたサブと目が合う。
そして、どちらもゆっくりと手を引き拳を握る。
ゴクリと口にあった団子を飲み込みサブを見る。
すると、サブも団子を飲み込んだようでこちらを見ている。
そして、握っていた拳を後ろに少し引きに勢いよく前につきだす
「『最初はグー!!じゃんけんポン!!!』」
私の手はチョキ、サブの手はパーだ。
『っ勝った!!!』
「うあぁぁぁっっ、負けたぁっ」
自分の手を見て絶望に打ちひしがれるサブを見て優越感に浸り、鼻で笑う。
じゃんけんはこんな時に勝負をつけるために私が教えたもので、今では2人とも勝負と言えばこれだ。
勝負に勝った優越感に浸りながら勝ちとった団子に手を伸ばす
しかし、そこに団子の姿はない。
慌てて、サブを見るとサブの視線の先には団子に口をつける重弥さん。
『っな、っな、重弥さん酷いっ。わ、私が勝ちとった団子を……』
「、、、これ食べちゃいけねぇやつだったのか?」
私が、打ちひしがれていると重弥さんは申し訳なさそうに謝ってくる。
重弥さんは結構こういうのに疎い。
ギャップを狙ってるのかってぐらい、顔に似合わず疎い。
「頭ひでぇや、俺がこっそり食べようとしてたのにっ」
そして、私と同じように打ちひしがれるサブ。
何、お前負けたのに、横取りするつもりだったのか。
「なんだい、団子の一つや二つ、ほらそんなに食べたかったら買ってきな。」
そう言って、お財布を差し出してくる佐和さん、マジ女神。
私とサブは、すぐさま復活して城下町にある団子屋に向った。
勝敗はじゃんけんで
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