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「っおい!名前起きろよっ!!」
誰かの声で起きた私。
ズルリと半分寝たまま布団から這い出ると部屋を見渡す、だけど一緒に寝たはずの佐和さんがいない。
「もう日はとっくに昇ってるぞ!」
声がするほうを見れば障子に映る人影。
それは、大きい大人の影ではなく小さい子供の影。
あぁ、梵天丸様か…
一応、女の子の部屋だから入らないでくれたんだろう、紳士的だな。
『ぉはよーごじゃいましゅ、ぼんてんまるしゃま。』
のそのそと着替えながら、梵天丸様に挨拶をする。
すると、障子の外から笑い声が聞こえる。
「っはは、名前寝ぼけてるな!!」
『ねぼけへましぇん』
「っははやっぱり!」
体が子供だからか寝起きだからか多分両方だけど、そのせいでうまく口が回らない
てか、朝から、テンションが高いな…
そっか、昔の人は朝が早いから。
旅をしていた時は、皆思い思いに起きてたからな〜
ちなみに、私よりサブの方が寝ぼすけだ。
輝宗様と会う時に着たようなキチンとした着物じゃなく
町についたときに重弥さんが買ってくれた普段の着ている着物に着替える。
『梵天丸様お待たせしました。』
目元をゴシゴシ擦りながら部屋を出れば
まだ、梵天丸様はケラケラ笑っていた。
なぜだ、もうちゃんと話せてるのに。
「名前、寝ぐせついてるぞ。」
そう言って笑いながら頭を撫でてくる梵天丸様、くそぅイケメンだな。
美形が羨ましい
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