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あの後、殿様、輝宗様に言われた通り
梵天丸様と佐和さんが見守る中鬼ごっこをしていた。

輝宗様は部下の人に執務があるだろうと連れてかれてしまい

重弥さんとサブは男同士で城下にむかった。
(…もしかして花街に行くんじゃないかと思ったけどそれは触れないことにした)


始めは人見知りしてたどたどしかった梵天丸様だけど、しばらくすると私になれたのか元気に駆け回っていた。


「名前!来いよ!!」


私の前を走る梵天丸様の足は速い

それに比べて元インドアな私と鬼ごっこなんて、梵天丸様鬼畜すぎる!

今まで、よく旅ができたなって?
だって、私には便利なサブの腕があったんだよっ!
これからは、できるだけ自分で歩けるようにしよう…


『ぼ、梵天丸様待って下さいよっ』
「名前は、鬼事が弱いな。」


私がヨロヨロとついけてないのを良い事に梵天丸様は私の近くまでやってくる。

それを見逃す私じゃないぜキラリ


梵天丸様が私に近づいてきた瞬間、梵天丸様にタッチする。


『タッチ!』
「あぁ〜!!名前ずるいぞ!!……ん?でも、たっちって何だ?」


思わず、昔からの癖でタッチと声に出してしまう。

そうだ、まだこの時代に横文字なんてないよね。


『え〜っと、これは南蛮語で、触れるって意味です。』
「名前、たっちって南蛮語なのか!?」


慌てて言えば梵天丸様がキラキラした目で私を見てくる。

え?やっぱり、おかしいのかな?


『は、はい……』


若干戸惑いながら答えればさらに梵天丸様の目が輝く。


「名前って物知りだなっ!!他にも知ってるのか!?」


興味津々というように喰いついてくる梵天丸様、可愛いな。

良かった、怪しまれてない。


『ええ。お教えしましょうか?』


そう言えば嬉しそうに頷く梵天丸様。

そのあと結局鬼ごっこはそこで中断して、佐和さんと一緒に英会話教室が始まった。


「名前おはようは何て言うんだ?」
『おはようは、good morningです。
はい、反復して下さい。good morning』
「ぐっど、にん…?」
「ぐっどもーにん」
『佐和さん後ちょっと、梵天丸様はまぁ、惜しいです。』
「くそぅ」


佐和さんは後ちょっとだ、だけど梵天丸様は、うん、惜しいよね。

それに、悔しそうにする梵天丸様。
向上心があることはいいことだよね、うん。





また、明日頑張りましょうか


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