9
っどどーん!!まさに効果音をつけるならこんな感じだろう。
あれ?確か米沢城って少し小さいんっじゃなかったけ?
あれ?私が小さいだけかな?うん、絶対そうだ。
とにかく、なんか、お城はすごかった、うん。
私が茫然としていると気づけば、皆と離れさせられてた、っなぜ!?
そして、私のまわりには数人の女の人(こういう人って、女中さんっていうんだよね)がいた
その手にはなんとも綺麗な着物があり私の着物をさっさと脱がすとそれを着せられた。
お、恐ろしい早技だった……。
そして、綺麗に髪を結われて連れてかれた先には私と同じようにキチンとした格好をした3人。
よ、よかった…、っほとしているとサブに手招きされているのに気づいてサブの隣にチョコンと座る。
聞けば、これからこの城の殿様がくるようだ。
だから、私もキチンとした格好にさせられたのか。
なるほど、と思い楽にダラリとしていた背筋をピシンと伸ばして座りなおす。
今から、来るのは殿様だ下手をしたら「キエェェェ!!無礼者おおぉぉぉ!!」となるかもしれないのだ…
あれ、でも今から来るのって殿様だからもしかして独眼竜?
え、独眼竜がキエェェェ!!って、言ったらショックだな。
できれば、独眼竜には、想像のまま男前な人だといいな。
だけど、これは私の勝手な想像だから男前な独眼竜がくるかもじゃんッ!
ドキドキしながら殿様がくるのを待つ
すると、戸が開く音が聞こえた。
き、来た…!!
「おぅ、久方ぶりだな。」
聞こえたのは低くてかっこいい声。
だけど、彼の右目には、普通に眼球があった。
なんだ独眼竜じゃないのか…若干がっかりする
だけどこの殿様、独眼竜じゃなかったもののこのすごく男前だ、眼福眼福。
「まぁ、長旅で疲れただろう、ゆっくりしてくれ。」
城でしばらく休んでけという殿様に頷く重弥さん
あ、じゃぁしばらくここに泊るんだ。
それにしても、随分フレンドリーな話方だ。
あぁそういえば、重弥さん達は何度も来たことがあるって言ってたっけ…緊張しすぎて忘れてた。
重弥さんたちは山賊狩りをしていて、それなりに各国で有名らしい。
山賊を狩ってくいる重弥さんたちは殿様からすれば、有り難い事らしくて良いようにしてくれる事が多いとかなんとか。
私が考えごとをしていると不意に私の話題が出てきたのに気づく。
危ない、危ない、意識が飛んでた。
「この者の着物まで用意していただき感謝いたす。」
どうやら、私の着物はこの殿様が用意してくれたようだ。
サイズぴったりだよ、殿様、あれか忍に調べさせたってやつかな?忍すげぇな。
視界に重弥さんが頭を下げるのが見えたので、私も慌てて頭を下げる。
「別にかまわねぇ、名は何という?」
殿様が私を見ていう。
うっぉ。て、手汗が半端ない…
『名前と申します。』
着物、ありがとうございます。と付け足して深々と頭を下げる。
「ほぉ、見たところ家の梵と同じくらいか…」
私の顔を見て何か考える殿様。
家の梵?…子供のことかな?きっと、子供も男前なんだろうなぁ。
「なぁ名前、お前はこの城にいる間俺の息子の遊び相手になってやってくれないか?」
ふんふん、殿様には今の私と同じぐらいの子供がいるのか
遊ぶ、か、これくらいの子供って何をして遊ぶんだ?
まぁ、殿様のお願いを拒否なんてできないなので私は殿様に二つ返事で答えた。
「よかった、よかった、ほら、梵入ってこい。」
殿様は頷いた私を見て戸に向って話かける
っえそこに、いるの!?
私が一人驚いていると入ってきたのは可愛い男の子。
「っ父上。」
トテトテと殿様の所までやってきて後ろに隠れる男の子…っ可愛い!!
「ほら梵、挨拶しろ。」
「……梵天丸。」
「っはは、まぁ人見知りは激しいがよろしくしてやってくれ。」
梵天丸様が殿様の背から顔だけ出して言うのを見て殿様は苦笑いしながら頭を撫でる。
可愛い親子だな。
独眼竜はどこにいる?
10/63
prev | next
back