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ある日夜中9時を少し過ぎたころに名前はやって来た
聞けばテスト前で本格的にヤバいようで、ここ連日家に来れなかったみたいだ。
そして夕飯の残りを届けに来た名前はそれだけを伝えて隣の家へと帰ってしまった。
テスト前こうやって切羽詰まっているのはいつものことだからなんとなくわかっていたことで、それを勘右衛門たちに伝えると落胆したものの今だに家に通い詰める3人
まぁ、その理由はゲームが8割を占められているんだろうけど。
そしてそんな日が続きある平日の8時頃、家に久方ぶりの声が響く
「テスト終わったよー!!」
近所迷惑なんてまるで考えてないような大声ではしゃぐ名前
その頬はだらしなく緩んでおりほくほくしている。
「テスト大丈夫だった?」
「もっちろん!」
ピースして笑う名前の幼い仕草に和みながらお土産と持ってきてくれた美味しいシュークリームにかぶりつく
「っ、これうまいな。どこの店のだ?」
隣でお茶を入れてくていた三郎が僕たちよりも遅れてシュークリームを食べて声をあげる
委員会の時にでも後輩に持って行けば喜んでもらえそうだ。
「でしょ。遊んできた帰りに買ったんだ。」
名前の告げた場所はここからは少し遠い名前の学校の近くのお店で「三郎が欲しければ買ってこようか?」と言う名前に三郎が「頼む」と一言呟いてまたかぶりつく
「美味しー」
よほどテストが終わったのが嬉しかったのかそれともテストの打ち上げと言って遊んできたのが楽しかったのか、きっとその両方であろう名前の表情はさきほどから顔を引き締めるということを忘れてしまっている
鼻頭にクリームがついたと言って騒ぐその顔はずっと笑顔のままだ。
「そうだ名前。明日学校が終わったら家に来いよ。」
「ほーい。」
きっと三郎は名前と勘右衛門たちを引き合わせるつもりなんだろう
それを知ればビビりでヘタレの名前はきっと逃げだすに違いない
それをわかって三郎は特に何も言わずにいるんだろう。
それは僕も同じでいい加減紹介しろ紹介しろと煩い勘右衛門たちには嫌々しているのだ。
名前に悪いなと思わないこともないけど普段から彼氏欲しい彼氏欲しいって言ってるんだからいいよね。
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