プロポーズ (7/27)


いつも通り暗殺の仕事帰りに
あたしの家に来る彼は
なんだかいつもと違う。

顔は無表情なのに
雰囲気でわかるようになった。
あたし達の付き合いは長い

『なんかあった?』

「明日見合いする事になった」

一瞬固まってしまったが
あぁ彼はゾルディック家の長男だしな
と思い直す。
一般人の自分が結婚できるなんて
高望みはしない

チクチクと痛む胸は気のせいだと思いながら。

『あーそうなんだ。結婚しないとね。
長男だもんねー』

「えっ」

『えっ』

驚きの声を呟くイルミに驚いた

イルミを見るといつもより
少し目が開いている

少しの沈黙の後に
急に両肩を掴まれ
ガクガクと揺らされる

「いいの?俺アラタ以外と
結婚するかもしれないんだよ?
平気なの?」

『は?え?なに?』

「俺が結婚してもいいわけ?」

『え?そりゃ長男なんだからね』

揺らしてた肩を離し
はぁと溜息をつかれた

溜息をつきたいのはこっちのほうだ

「ヒソカの嘘つき。
想像してた展開と違う」

『ヒソカ?』

「そう。
俺が結婚するかもってなったら
焦ってアラタが結婚しようって
言ってくるって。
そこで俺がいいよって
言って結婚するって話だったのに」

いつもより饒舌に話すイルミが
一瞬何を言ってるかわからなくて
ポカンとしてしまった

『・・・それ。普通に結婚しようって
言ってくれないの?』

あたしの言葉に一瞬間があり
ポンと手をたたいた

「その手があった」

『わけわかんない』


話を聞くと
ヒソカと飲んでいて
結婚したいけどどうしたらいいかと
相談したらしい
ヒソカが先ほどの事を提案してきたとのこと。

『普通に言ってよ。』

イルミは少し・・・いやだいぶ疎い。
少し呆れ気味に言うと

あたしの手を取りいつも通りの顔で

「アラタ結婚しよう」

それでもやっぱり嬉しくて
少し笑いながら返事をする

「・・・はい」

ぎゅーっと抱き付けば
それに応えて抱きしめ返してくれる

あなたの隣がいいに決まってる


「あーよかった」
『今までお見合いなかったの?』
「話はあったけどアラタ以外と
結婚する気ないし。
見合いの前に殺してた。」
『えっ』



モドル


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