不器用な彼氏(イルミ) (25/27)


『イルミあたしのこと好き?』

『なに?急に』
こんなに好きなのに何いってんの?

『あたしはイルミが大好きだよ』

そう言って抱きついてきたアラタを
『はいはい』と言って引き剥がそうとすると
更にギューっと抱きしめられた

今まで恋人なんて作ったこともないし
ましてやそんな様子が可愛いなんて
思う自分も昔なら考えられない
そう思ったのが1週間前

その次の日から何か違和感を感じた
いつも通りに仕事帰りにアラタの家に行くと
笑顔で出迎えてくれるのに何か変だ
なんだか違和感を感じて過ごした一週間

(あ、わかった)

ポンと手を軽く胸の前で手を叩く

必要がなくてもくっついてきていたはずの
アラタがここ最近あまりくっついてこない

くるりと首を動かしアラタに目をやると
今は広いソファの端で寝転びながら
分厚い本を読んでいる

今までは俺の膝を『硬い』なんて笑いながら
枕にしていたのに

立ち上がりアラタの側にいき
本を取り上げると少し驚いた顔をした

「ねぇ、アラタ」

「どうしたの?」

「なんで?」

「え、何が?」

違和感の原因がわかったのに
スッキリするどころかイライラする

「わっ、イルミ!!
本!それまだ読んでないっ!!
高いやつっ!」

アラタの声で本に
指がくい込んでいることに気がついた
なんなら少し穴が開いている

「あーぁ・・・」

残念そうな表情が更に苛立ちを煽る
自分より本が大事なのかと

「アラタ」

本を放り投げアラタの肩を掴み
唇を重ねすぐに舌で口内を犯す
苦しそうなのに懸命に舌を
絡めてくるカアラタが可愛い

「ん、っは、ぁっ」

「本より俺の方がいいよね」

「そりゃぁ・・・あた「じゃぁなんでくっついてこないの」えっ!えっ?」

「ここ1週間くっついてきてない」

「それは、」

「わざとなわけ?」

「わざとって言うか・・・」

俯いて口ごもるアラタの顎を持ち上を向かせ
目が合うとぼっと顔を赤くするのは
付き合う前と変わらない
見つめ合う以上の事など
もう数えられないほどしているのに

「隠し事?言わないなら
吐かすしかないね」

「あっ、ひゃっぁっ」

顎は持ったままあいている手で
アラタの太ももを撫で
スカートの中へと進んでいく

「やめっ、あぅっ」

必死に手を押さえてくるが
アラタ程度の力で押さえれるわけもなく
すぐに下着へと到着して割れ目をなぞると
アラタは面白いぐらいに
体をびくりと反応させる

「どうする?言う?言わない?
それとも続けられたいの?」

「言うっ言うからっ!」

涙目で訴えてくるアラタ
この顔を見るだけで
もっと自分の手で泣かして
やりたいと思ってしまう

「ヒソカが・・・」

「は?」

おもいがけない人物の名前がでてきて
思わず手が止まる

「ヒソカにイルミに好かれてるか
わからないって相談したら
『君は触れすぎだから
ちょっと抑えてみたら?』って言われたの。
確かにあたし鬱陶しいくらいに
イルミにくっついてたでしょ?
だから、我慢してみたの。
そしたら嫌がられないかなって・・・」

顔を赤くして俯くアラタが
最高に可愛い

「アラタ、あんな変態の言う事なんか
聞いちゃだめ。
てゆうか、いつの間に連絡先交換したの」

「連絡先?ヒソカが前あった時に
何かあったら相談に乗るよって
番号くれたんだよ」

「そう」

ま、携帯は後で壊すか

ギュッとアラタを腕の中に閉じ込める

「愛してる」

「え、ぇ、イル、ミっ、今、」

「言葉にしてほしいなら
毎日言うよ。だから、
ほかの男に頼るとかはだめ。
わかった?」

俺に抱きつきながら大きく首を縦にふる
耳まで赤くなっているの頭にキスをした

◇◇◇

「で、携帯は?」

「ん?ここにってっ、きゃっああ!!」

渡された携帯を握り潰した
ヒソカには後で仕返しをしよう






モドル


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