イルミ×彼女1 (23/27)


「だーかーら!
着いてこなくて大丈夫だってば!」

「でも、そんなこと言ってこの前
変なやつに絡まれてた」

「もう、心配しすぎ!」

私の後ろをチョコチョコとついてくるのは
1年ほど前に仕事帰りにたまたま通った公園で
傷だらけで倒れてたのを
必死で引っ張り近くにある自分の家まで運んだのだ

怪我の手当てをしたが
思った程深くはなかった。
終わった時に
目を覚ましたイルミの発言には驚かされた

「あ、寝てた」

ちょっと抜けてる?というか
変わっているイルミは
それから何故か遊びにくるようになった
一緒にいるうちにイルミの金銭感覚には
戸惑ってしまい裕福な家庭で育った事がわかった
そこから一般的な金銭感覚を身につけさせようと
頑張ったのは言うまでもない

そしてピエロの様な格好をした男に
絡まれている所に出くわし
カツアゲでもされているのでは?
と思い割って入ってから更に懐かれ
「オレの事守ってよ」と言われ付き合い始めたのだ

綺麗な顔はあまり感情を表情に出すことはないが
一緒にいるときは子犬のように
まとわりついてくるし
母親のように過保護だったりする

そんなイルミが可愛く思ってしまうのはらしい
あたしも変わっているのかもしれない

たまにシュッという何かが風を切る音が聞こえる
その時は何故かイルミの手には
トランプが持たれているのだが
手品の練習でもしているのかと
首を傾げてしまう

「イルミ、今日はカレー作ったの!
食べる?」

「うん。アラタがあーんしてくれる?」

「もぅ、本当に甘えん坊なんだから!」

コテンと首を傾げるイルミの手を取り歩く
カレーを食べているイルミを想像して
顔がにやけてしまう

「何笑ってんの?」

「ん?内緒ー」

教えてよとまとわりつくイルミを軽くあしらい
家路へとついた




モドル


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