イルミ×娼婦(新人) (21/27)


イルミ×娼婦(新人)

「初めまして!ミルクです!
今日はご指名頂きありがとうございます!」

今まで入ったことがない豪華なホテルの
1室で初めてのお客様に挨拶をする。
本当は緊張で脚が震えてしまいそうになるかま
笑顔を作る
母は幼い頃亡くなった。
父の借金を返済するために
身体を売ることを決めた。
今まで守ってきた純潔は
目の前の初めてのお客様に差し上げる
処女だということで値段は高く買ってもらえたらしい
粗相のないようにとオーナーからは
しっかりと言われている

黒髪のサラサラロングヘアーで
猫目の男性は整った顔で
無言のまま部屋に通される
そのままベッドルームへと行くのかと思えば
何故かリビングへと案内され
ソファに座らされた

用意されていたお茶をすするが
男はソファにもたれながら
じーっとあたしの顔を見ている
それがなんだか怖くて目も合わせれずに
ただひたすらにお茶を飲む

「ねぇ」

やっと声をかけてもらえ
ビクッと身体が跳ねる

「は、はい!!!」

「オレの事覚えてる?」

いきなり質問をされて驚くが
会っていたはこんな綺麗な顔を
覚えてないわけがない

「い、いいえ。何かの間違いだと・・・」

「これお前のだよね?」

出されたのは
あたしが以前お気に入りで使っていた
バラの刺繍が入ったハンカチだった。
それは怪我をしていた人にあげたもので
この男の人にあげたのではない

「あたしのですけど・・・
貴方には渡してないです。」

「・・・あぁ」

しばしの無言の後にパンと何かを
思いついたように
手のひらをあわせた

そして服から針を抜き取ると
顔に刺していく
ゴキっバキッと普通では聞かないような音と
共に男の人の顔が変化した

その顔はまさしくハンカチを渡した彼だった
腕から血を流し歩いていた彼に手渡したのだ

「俺だよね?」

顔色が悪く針がいっぱい刺さっている顔とは
不釣り合いの声に我に返る

「あ、、はい、
ハンカチをわたしたのは
貴方です・・・」

針を外すとまた変な音をたてて顔が
さっきの顔に戻った

「そっ、覚えててくれたんだ。
忘れてたら殺しちゃうとこだったよ」

「え、」

危ない言葉が聞こえた気がしたが
何でもなかったかのようのに話し出す

「何故かずっとお前を忘れらんなくてさ。
アラタの事調べてたけど急にいなくなるから
心配したよ」

「あのっ」

最初にミルクって源氏名を名乗ったのに
何故か本名を知っている男
危険だと脳が警鐘を鳴らしている


「こんな所で働いてさ、おどろいたけど
まだ客を取ってなくてよかった」

近付いてくる男から距離をとるように
後ろに下がっていくがすぐに端についてしまう

「お、お客様・・・?」

「客?俺の名前はイルミ」

「イルミさん、あの」

「なに?」

もう唇が触れそうな距離に心臓がうるさい
ピピピとタイマーがなり安堵する

「時間が、なくなったので・・・」

ソファの足元に置いた鞄から
今もなり続けるタイマーを取り出すと
ぐちゃりとまるで卵を潰すかのように
粉々にただの鉄くずに変化してしまったタイマーを
吃驚して見つめる

「アラタが働く店潰したから気にしないで」

「な、なに」

何を言っているのかわからない

「借金も俺が返してあげる。
その代わり俺のそばにいること」

「そんな、」

「大丈夫、何も心配しないでいいよ」

唇が重なる
鎖で繋がれていくように
身体が重くなっていった




モドル


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