イルミ×使用人 (20/27)


イルミ×使用人


「お前務めて何年目?」

「・・・2年目です」

唐突に聞かれた質問に吃驚して
一呼吸遅れての返事
なにか粗相をしてしまったのか

まだまだ新人の自分は屋敷の掃除を
やっと1人でできるようになったぐらいだ
イルミ様が私の存在を知ってるはずがない


今日も掃除中に帰ってきたイルミ様に
頭を下げていると通り過ぎて行くはずの
足音が目の前で止まったのだ


「そ、アラタお前今日から掃除は
俺の部屋だけ。
俺専用の使用人ね」

「っはい」

名前を呼ばれた事に吃驚して
思わず顔を上げてしまう
イルミ様は何を考えているかわからない
表情がないに等しくあまりわからない

「じゃ、後で部屋に来て」

「わ、わかりました!!」

やっとこの場を去るイルミ様を見送った
後でとはいつの事か
「アラタ!あんたすぐにイルミ様の部屋に!」

「え、でもまだ仕事が、」

もう何十年も勤めている先輩が
慌てた様子で部屋へ行けと促す

「イルミ様の言葉聞いてたの?
今日からイルミ様専用の使用人になったのよ!
ほかの仕事なんかしてたら
あたしが殺されるわ!
あんたの仕事はイルミ様に従うこと
わかったなら行きなさい!」

「は、はい!!」

先輩に叱られ慌ててイルミ様の部屋に向かった






初めて見た時から気になっていた使用人
弱いのに何故か目で追ってしまう

二年前母さんに尋ねた

『母さんあの使用人俺にくれない?』

『あら、あの子はまだ入って数ヶ月なの!
練習相手にもならないわ!
2年は待ちなさい!』


その2年がやっと経ったのだ

アラタが他の奴のモノにならないようにと
様子を見ていたし
きつい仕事は回らないようにした

自分でも何故手元に置きたいのかわからない
飽きたら殺してしまうかもしれない

それでも自分でアラタの人生を
終わらされるならずっといい

コンコンと控え目なノックに
アラタが来たらしい


俺だけの使用人(ペット)



モドル


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