サボり上等






「ねーねーギルちゃん」

次の授業何だっけ。
携帯をいじりながら質問してくる彼女に、どうせ受けねぇだろ、と返してやるとくつくつと笑われた。
こいつの笑い方は昔からなのに、まだ慣れない。
何年か前に女らしく笑ってみろ、とは言ってみたのだが、恥ずかしいの一点張りだった気がする。
俺からすると、その笑い方の方が恥ずかしいと思うけど、こいつは違うらしい。

「ギルちゃん、聞いてる?」
「あ?何だっけ?」

3現目からあたしと課外授業しようよ。
にやりと不敵な笑みを浮かべる彼女と時間割とを見比べる。
ノートは後でヴェストにでも見せてもらうか。

「っし、行くぞ」
「やった!」

ギルちゃん大好き!
ぐ、と引かれた腕に優越感を感じながら玄関まで走ると、お馴染みの顔が揃っていた。




─サボり上等─


(自分ら遅いで)
(メールもらったからすぐ来たよー)
(アントンにフラン!これでみんな揃ったね)
(え…なぁ、おい)
(ん?ギルちゃんどしたの?)
(…2人っきりじゃねぇのかよ!)


2010.02.01



<< >>  
もどる