「人のおかず取ってんじゃねぇよ」



「そういえば要くんと祐希くん同じクラスになるの初めてですよね。どうです?」


私たちは穂稀高校の2年生になりました

要と祐希そして私が4組で悠太と春が5組


どうやら祐希はクラスの誰に話かけられても基本無視らしい

それは私も気になっていた

「別に故意に無視しようなんて思ってないよ、失礼な。ただ誰の言葉もオレの中にまで響かないだけで・・・」

「単にお前が人の話きいてねえだけだ」

「寝てばっかりだもんね」

そこで春が祐希を心配して要の提案で部活に入ることになった


―バスケ部

「見学?だったら試しに一緒に試合してみる?」

どうやら祐希は本気だと思っていなかったらしく心底嫌そうな顔をしていた


「祐希くんあからさまにどーでもいい感じですよ?」

皆が走ってるなかひとりだけとろとろと歩いたりパスを貰っても避けるばかりで前半終了。


「そんなにできないならバスケ部入れよ」

「そうですね、男の子にバスケって必須ですからねっ」

バスケ部に入ることに決まりということで向かえた後半

見違える程のプレイを見せた

「祐希は運動神経めちゃくちゃいいよ」

「は!?」

「本気だしたらもっとスゴイし」

「あれ以上がまだ!?」

「君たち幼稚園からずっと一緒にいてそんなことも知らないのか」

「あきらかにお前も今知っただろ」


その後、柔道部では試し試合で相手を泣かし、水泳部では老後の事を考え

陸上部では疲れるということで却下、弓道部では人に向かって撃とうとした


「あーくそ、なんでこんなに決まらねんだ」

「だからね、決まんなくていいんだって」

「いーやダメだ。お前はもっと新しい世界を見るべきなんだよ」

「こっちはムリヤリまぶたこじ開けられてる気持ちでいっぱいです。そもそもなまえだって部「黙ろうか祐希君」」

私は部活に入っていなかった

今要に知られたら私も部活に入ることになっちゃうよ


「あっ、東先生ーっ」

そこに東先生の登場で運動部以外もまわってみてはという案が出た

「その人が持ってる力とやりたいことってのは必ずしも対じゃないからね」




ーーーーー・・・


「かっっっっこい〜〜〜〜っ、なんか東先生って大人の人って感じですよね」

「まあ大人なんだけどね」

「大人の中の大人だよね」


歩いてる途中料理部の教室を通ったが悠太により即却下

なぜなら中学の調理実習でじゃがいもの皮剥きをお願いされたとき、高速で皮を剥き
包丁を返すとき刃の方を向けて返し、まだ清き少女たちに2度にわけて強い精神的ダメージを与えたとか



「あ・・・祐希くんっ次茶道部へ行ってみませんか?」

そんなこんなで茶道部へ

「そういえばふたりとも茶道部だったね」


そこで要が完璧に茶道をこなした

「オレを誰だと思ってるんだ」

「眼鏡だと思ってる」

「・・・」


次に祐希の番

真剣にお茶碗を回す姿に春がアドバイスを出すと「話しかけないで」とのこと

そんなに真剣にやっているのかと思えば要が口付けた部分を見逃さない様に必死になっているだけだった

「はいはい、そんなにオレと間接キスはいやですか」

それにひそひそ話を始める一同

「オレだってしたかねーけど!!」

まさかの春まで乗った事に項垂れる要に慰める春

「要が入ってる生徒会は?」

「ヤ。」

即答


「あーもーやめだやめだ、本人が一番やる気ないのに決まるわけねーじゃん」

だらだらと漫画を読み出した祐希

それに怒り要が漫画を取り上げた

「やめてください。マンガとアニメはオレの大好物なんですから」

「はいはい、そうかよ。」


・・・


「それを早く言え―っっ!」


やって来た漫研

要は祐希に入部届けを渡してその場を後にした

それに私も付いていく



「要」

「あ?」

「私も部活入ってないけど入った方がいいかな」

「・・無理に入れなんて言わねえよ、お前は辛い思いたくさんしてきたんだし・・・いつかまたやりたいと思えるまで焦る必要はねぇよ」

「そう言ってくれると思った」







ーーーーー・・・


「はっ、半帰宅部状態だあ!?」

「うん。」

「で、で、なんだよお前そんな部に入部届けだしたのかよ」

「うん。」

「バッカじゃねーの!?あーもー最悪だよ意味ねーよ」

嬉しそうな祐希と怒りまくりの要

その状況を見てるだけの悠太と要を慰める春


「まあまあ、変化する瞬間なんてきっとこの先いくらでもありますよ」



――こんな祐希久しぶりに見たよ

私にもそんな風に喜びながら入部する日がくるのかな


自分の心が変化する瞬間


いつかくるといいな。



end


(120716)



戻る


[ 2/4 ]

[*prev] [next#]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -