「人のおかず取ってんじゃねぇよ」



――春もうらら
桜は満開

桜吹雪が舞い上がるというより砂ぼこりの舞う春は


「あー風強ー。誰だよ屋上で弁当食おうなんて言い出したのは」


育ち盛りの少年たちにとって少しも腹の足しにならない


「だって天気いいのに教室じゃもったいないじゃないですか」

「おかず砂まみれになる方がもったいねーっつの!」

「あ、じゃあボクのサンドイッチから好きなのとってくださいよ」

そういう髪の長く一見女性に見える優しい彼は松岡春

「要なんかに必要ないよ春。ちゃんと自分で食べなさい」

前髪を真ん中で分けているのが双子の兄浅羽悠太

「要ボンボンでしょ。おかずの一つ二つで何さわいでんの」

前髪を伸ばしっぱなしなのが双子の弟浅羽祐希

「いちいちつっかかってくんな双子。俺はお前らの巻き添えくらうっつーのが腹立つんだよ」

そしてさっきからぐちぐち文句を言っている眼鏡が塚原要


「大丈夫だよ、要の眼鏡に砂溜まって前なんか見えちゃいないから。おかずがどうなろうが気付きっこ無いよ」

「そう言いながら人のおかず取ってんじゃねぇよ」

最後に、要のおかずを盗んだ私はみょうじなまえ


皆幼稚園の時からの親友ですっ!


 

[ 1/4 ]

[*prev] [next#]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -