「何で付いて来てんだよ」
「遅くなっちゃいましたねー」
「そうだな。お前が問題解くのトロイからな。更になまえまで加わって遅くなるのも当然だわ」
「すみません」
学校の帰り道
私と春は要に勉強を教えてもらっていた
「春くんっ」
突然聞こえてきた声に振り返る
そこには走りながらこちらへ向かってくる女の子がいた
「舞音ちゃん!?何?どうしたの?」
「春くんなかなか帰ってこないんだもん。まちきれなくて探しに来ちゃった」
どうやらその女の子と春は知り合いらしい
「春、誰それ」
「ボクのお姉ちゃんの子なんです。今ボクの家に遊びに来てるんですよ」
「(何こいつ・・・その顔で叔父さんなわけ?)」
「要、今思ってること多分私と同じだよ」
まさかの姪だったとわ・・・
どうやらその舞音ちゃんはひとりでここまで来たらしい
危ないなぁとか思っていたら舞音ちゃんが「お月さまがずっとついてきてくれた」だなんてかわいらしい事を言うもんだから春とふたりできゅんとしてしまった
要は何やら鳥肌がたったようですが
ーーーーー・・・
「春の姪っ子ねえ」
「もうすっごいかわいんですよ」
「ね、ほんとかわいかった」
「なまえがそこまで言うなら会ってみたいな・・・お月様がどーとか言っちゃうあたり春の血がしっかり受け継がれてる感じはするよね」
昨日の舞音ちゃんの言葉を思い出しては心がきゅんとする
「春、あのあと言ったのか?」
「?何をです?」
「月だよ。誰にでもついてきてるわけでもねぇってこと」
「言ってませんよ。そんな夢を壊すみたいな」
「何言ってんだ、あぶねーだろあんなちっさい子が夜にフラフラ」
そうだった、私もそう思っていた事を忘れていた
でも春の言う通り簡単に言えることでも無いしなぁ
さて、どうしたらいいのでしょう
なんてひとりで考えていたら要と春の空気が重くなり始めた
「要くんそういうとこほんとかたいですよね」
「・・・お前こそふわふわすぎるその脳みそどーにかしたらどうだ」
あらら、ほんとどうしようか
[ 3/4 ][*prev] [next#]