未来

あれから特に目立った後遺症もなく、リハビリも順調に進み、奇跡的に回復した(名前)は今を公安退職しゆっくりした生活を送っている。完全に回復するのに四、五年かかってしまったがそれはそれで仕方のないことだ。
僕の左手の薬指に光る指輪がグラスにぶつかり小さく音を立て、静かな部屋にカツンという音だけが響く。奥の部屋から赤ん坊の鳴き声と母親である彼女の声が聞こえ重い腰を上げた。
僕は今幸せである。

 
(11|13)



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