一驚


「裕美?もう、どこ行ったの……」

新しくできた大型ショッピングモールはかなり賑わっていて辺りは人ばかり。歩けば必ず誰かにぶつかってしまうような状況である。
そんな所に行きたいと行った次女の裕美を連れて来たわけだが、案の定はぐれてしまい途方に暮れていた。

「Hi!」

「は?」

「そこでお茶でもしない?」

「あ、え、ちょっと!?」

ブロンドの長髪でスタイルのいい女性に有無を問わずに連れてこられ、オシャレなカフェに入店した。強引な所は相変わらずというわけか。どういうつもりかはわからないが、まあ付き合ってあげることにした。ここの紅茶美味しいとかじゃないから。

「で、一体なんの用なのベル?」

「久しぶりね名前、せっかく日本に来たからAngelとSilverbullet、Servantの顔を拝もうかと思ってね」

「ちょっとServantって私のこと?従者って意味じゃない」

「あら、バーボンの従者でしょ?違ったかしら?」

「ち、がくはないかもしれないけど…」

「…あのシャトーが結婚ねえ」

「なあにその顔?」

「気が強くってじゃじゃ馬だった名前が結婚してて驚いただけよ。お相手はFBI?それとも公安?」

「想像に任せるわ」

注文したコーヒーをマドラーで混ぜる様はまあ絵になること。私も思わず見入ってしまった。
ベルは顔だけじゃなく、仕草や動作も美しく品のある。私とは偉い違いだ。なにを気に入ったのかは知らないが、組織時代から私に良くしてくれることが多い彼女は元は敵だけれども、私は友人だと勝手に思っている。


  
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