索漠


それから数ヶ月、降谷とは組織絡みの連絡しかとっていない。またシングルに戻った訳だが、周りの友達は結婚している人が殆どでしかも子供もいる。
休みの日に遊ぼうなんて気軽に言えなくなってしまい、途方に暮れ一日家でレンタルDVDを観ていることが殆どになっていた。

だがこの前沖矢さんとお茶をした時、浮かない顔をしている、と言われ「浮気というか…人肌が恋しくなって女の人を連れ込んでたんです」と言えば「それでも貴女はその人が好きなんですよ」と返されてしまい誤魔化すように頬を軽く掻いて先日ベルモットにも「その顔何とかしなさいよ」と言われたことを思い出す。自分ではそんなに顔に出ないと思ってもそうではないのか…と思い知らされた。
それから何かと気がかりになる事が増えたが一向に解決する算段を見つけることはできなかった。所詮売れ残りの二十七歳、学生の時の柔軟さはもうないのだ。もっと若かったらなあ…とぼやいてテーブルにあるライをまた呑んだ。

映画のクライマックスシーンでけたたましく鳴る仕事用の携帯。一度は無視したがしつこくかかってくるので渋々出ると風見が「降谷さんをどうにかしてください!!!」となんとも彼らしくもない大きな声で話し始めた。いや、それ私に言われても困る…と返したが貴女しかいないんです!!と食い気味に言われて仕方なく重い腰を上げた。仕方なくだ仕方なく。
お酒を呑んでしまった為、生憎だが車は運転出来ないのでまた風見に電話をして迎えにきてもらった。


  
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