思案


「で、降谷サンがなんだって?」

「それが…栄養ドリンクだらけのデスク座って寝ずに仕事をしてるんです」

「へえ、よくあることじゃない」

「はい。確かにそこまでならよくある事なのですが、ため息をついて引き出しの写真を見てはニヤッとして仕事に戻るんです」

「気持ち悪い」

「え、あ、そうですか?何か知ってると思い電話した次第なのですが、何かお心当たりありませんか?」

「……なんだろうね、心当たりしかないよ」

オフィスについてそっと遠くから降谷を見ているとさっきの話のように引き出しを見ていた。ニヤッとしていてあからさまに不審である。
そしてすぐ無表情になりPCと睨めっこし始めた。髪は少し脂ぎっているし、目元のくまもかなり酷い。組織にいる時は多分コンシーラー等で隠していたんだろう。しかしこんなになるまで仕事をしているということはあの女と別れたんだろうか…と思っていると風見からゴーサイン(早く行ってください)と言われ社畜の鏡のようになってしまった降谷を引っ張りとりあえず風見の車の後ろに乗せる。
そこまでの間、ぽやーっとしてもう完全に上の空、もっと酷く言うなら逝ってる降谷は手を引かれるまま付いてきた。
私に手を引かれる降谷、その後ろにいた風見の顔は忘れることができない。もしジンが今の降谷みたいになっていたら正直近くにいたくないので闇医者に連れていくだろう。


  
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