過去と現在とあなた | ナノ

++過去と現在とあなた++


073 救済


『セレスティナ!ちょっと来てくれる?』
『・・・――』
 呼ばれリリスを伺うと、穏やかに笑った。
『いってらっしゃい。ご主人様がお呼びなのだから』
『・・・はい』
 ネビリムは私塾の部屋に、たびたびセレスティナを呼んだ。
『お呼びですか』
 ピオニーたちとは目を合わさないよう、うつむいたまま彼女の前に立つ。
 彼らは興味があるでもなく、ただ見つめていた。なんだろう、と不思議に思っているのだろう。
『あのね、この状況の場合、あなたならどうする?』
『わかりません。私は考えるほど学もありませんから・・・』
 黒板に、≪大切なものを選択するために≫と書かれている。
 ネビリムは何を言わせたいのだろうか。
『学問ではないの、あなたの経験を話してほしいの・・・』
 寂しそうな彼女に、チクリと胸が痛んだ。これが最善なのだとわかっていても、幼き頃の記憶が邪魔をする。
 大好きだ。
 部屋を与えてくれたのも、文字を教えてくれたのも、ネビリムなのだ。
 大好きな彼女に役に立つ人間でいたい。
 書物では家族は弱みになるらしい。家族になるわけにはいかない。
 だから、何よりも彼女の味方であり、彼女とは他人であらねばならない。
『私は選択する立場にはないでしょうから』
 目の前の彼らには当たり前に与えられている権利だとしても、従う立場に居るセレスティナにはふさわしくない問いだ。
『そんなはずないわ。あなたがその距離を手に入れたのはなぜ?あなたが選択したからでしょう』
 ネビリムが手を引いて部屋から連れ出す。
『・・・文字を教えていただきました。それでお役に立つためには、これが一番だと選択したのです』
『頑ななのね・・・』
 この意志を感じ取っているのか、悲しそうに笑う。
 セレスティナが近しい他人としての態度を確立して数年。リリスもそれにはなにもいってこない。
 子供の頃から一緒にいるが、ネビリムのもとに生徒が来るようになってから、セレスティナも気づいたのだ。自分と違うと。
『いいのよ。あなたは私の妹も同然。私には家族は残っていないのだから・・・』
『リリーがあなたに対する礼節を怠るなと言っています。これが最善です』
『・・・リリスは、違うのよ。あの子は・・・それが命を守る方法だから・・・』
 今ならわかる。
 完璧な家政婦となることで、リリスは自分を別の人間にしたのだ。
 リリスという名を変えなかったのは、存在を否定することはしたくなかったのだろう。だから完全に同名の人間になろうとした。
 それらは完璧でなくてはならない。セレスティナにも疑わせないほどに。
『私はリリーの家族です。それがふさわしい立ち位置なのです』
『お願いよ、セレスティナ。あなたはあの子たちの先生になれるの・・・いのちと、役目を・・・』
 幾度となく、頭を下げて断った。
 開いた扉の間から、彼らの視線を受ける。一挙手一投足、観察されているようで嫌だった。
 それを知ってか、ネビリムも無理強いはしなかった。
 ただ、悲しそうに笑っていた。
 あの時に、何を話させようとしていたのか。
 もしかしたら、自分が親を亡くし生きていることを伝えさせたかったのだろうか。
 もしかしたら、かすかな記憶に両親を亡くした瞬間の時を覚えているのか確認していたのだろうか。
 今、会えるのであれば聞いてみたいとも思う。

 しかし、目の前にいる彼女では、確実にないのだ。








       ***





 

 黒衣をまとい現れたネビリムのレプリカは、翼を広げるように手を動かす。
 ゴゥンゴゥン、と、背につけた音機関が作動していた。
「しぇんしぇい・・・」
 涙目になったディストは、ぱっくりと開いた傷口を押さえながら立ち上がる。
 ネビリムが放った譜術は、まともにディストに直撃した。
「なんで・・・」
 メガネが割れたかと思うと、意識を失うかのように倒れこんだ。
「ディスト!」
 セリスはあわてて彼に駆け寄る。
 たとえ自分たちに反する行動ばかりをしている彼であっても、どこかで見捨てることはできない。
 セリスのなかではそれなりの存在になっているのだ。
 ディストを引きずりそばにある木の幹に寄りかからせ、意味がないかもしれないが傷口に布を巻く。
 ティアもナタリアも身動きが取れる位置にはいない。
「・・・ディスト・・・」
 洞窟の中に戻ると、浮遊するネビリムが不敵に笑っていた。
「おかしいですの。怖い、魔物がいるですの・・・」
 ミュウがルークの肩にしがみつき震えながらつぶやくと、ネビリムが嗤う。
「失礼ねぇ。私を魔物呼ばわりするなんて・・・」
 地面に降り立つことはなく、浮遊しながら優雅に笑っている。
 眼光も、身体も、明らかに人間ではなかった。
「あなたたちが持ってきてくれた触媒のおかげで、足りなかった音素を補充できたわ」
 ありがとう、と貴婦人のように礼をしながら、ジェイドを見た。
「どうして・・・おまえがここに」
 セリスはすこし離れたところのジェイドの声に、はっと彼を見る。
「お久しぶりね、ジェイド。昔はあんなに可愛らしかったのに、今は随分怖そうなお顔をしているのね」
「どうしておまえがここにいる。――答えろ」
 余裕のないジェイドの口調に、みんなが驚きを隠せない。
 彼がここまで乱されるところは、ほとんど見たことがないのだから。
 するとネビリムが「まぁ怖い」と大げさに肩をすくめる。
「レムとシャドウの音素が欲しくて譜術士から盗んでたらこんなところに封印されてしまったのよ」
「まさか・・・!一個中隊を壊滅させた、譜術士は・・・」
「この触媒があれば私は完全な存在になれる」
 両手に触媒として置いた剣を持って、愛しそうに撫でた。
「あなたは私を作ったのに、捨てて殺そうとしたわね。私が不完全な失敗作だから」
 セリスは目を見開いたまま、その姿を瞳に写す。
 背後に燃え上がる屋敷が見えるのは既視感からだろうか。
 否、まぎれもなく彼女が、あの光景を伴うにふさわしいのだろう。
「・・・それは・・・」
 この中で彼女の言っている言葉を理解できるのは一握りだ。
 それでもわかる。彼が彼女を作り、殺そうとした過去が事実であることが。
「だ、だまれ!なにが完全だ!オリジナルの生徒のディストをためらいなく殺せるやつが、完全なわけないだろ!」
 ルークが空気を振り払うように大声で叫ぶ。
「・・・いけませんね。私としたことが取り乱してしまった。あなたが完全だろうが不完全だろうがどうでもいいですが、譜術士連続死傷事件の犯人としてあなたを捕えます」
「あら、捕えるですって?面白いわね、試してみましょうか!」
 剣を持ち直すと、挑発するように両手を広げて笑みを浮かべる。
 容赦ない攻撃が始まった。







       ***




 


「ルーク!!」
 ティアが弾き飛ばされたルークに駆け寄り、ファーストエイドを唱える。
 傷ついては癒し、傷ついては癒し、を繰り返す消耗戦になっていた。
「・・・ぐっ」
 風の刃が尋常ではない威力と範囲で襲い掛かってくる。
 ジェイドは紙一重でかわすが、セリスは大剣を盾にしたためそのまま押し負ける。
 自分たちの攻撃も効いてはいるが、詠唱の度に巨大な力をぶつけられるため、恐怖心もぬぐえなかった。
「ほうら、あなたたちには倒せない」
 体に傷はついているが、致命傷になるほど大きなダメージは与えられていないようだ。
「私は完全になった。私がネビリムなのよ!」
「違う!被験者と同じ姿だけど、おまえは別人なんだ!」
 ルークが攻撃を受け流しながら叫んだ。
「じゃないと、みんなが辛すぎる!――お前だって!」
 力が爆発する、それでも、負けられない。
 セリスはそっとジェイドを見た。
 彼は無表情を崩さないが、たまに眉間にしわが寄る。
 苦しみながら戦っている。
 飛びずさりながら、ティアのそばに走った。
「ティア、お願いです」
「嫌よ。守ったりしないわ」
 セリスの意図に気づいているかのように、ティアは首を振った。
「・・・倒さなくては、ならないでしょう」
「まだ、まだできるわ。もう、あんなセリスをみたくない」
 原因がわからないまま死んだように横たわるセリス。
 それが普通の譜術では起こらないことは分かっている。
 ただ、こう言ったあとの彼女が、どうなるのかはわからない。
 以前は戻ってこれたが、今の彼女が不安定なのは、ティアも気づいている。
 ガイが飛び上がり切りかかろうとするが、さらに上に避けられ蹴り飛ばされた。
「ティア!」
「・・・嫌よ、あなたに無理をさせて、失いたくないから」
 セリスは悔しそうに唇を噛む。
 この不安定な状態を察されていることに加え、自分のために使うなと言われたのだ。
 そうこうしている間にも、ルークが剣を杖に立ち上がり走り出した。
「・・・お願いです、ティア・・・」
「・・・セリス・・・」
 みんなの消耗も激しい。それは事実だった。
 ジェイドもセリスを静止できないほどに戦闘に集中しなくてはかわせないほどの相手だ。
 譜術の詠唱もままならず、短い詠唱で出せる攻撃を繰り返しているようだ。
「・・・――わかったわ・・・」
「ありがとう、ティア」
 そういうとセリスはネビリムに向かって駆け出した。
 短く詠唱しながらネビリムの足元に第四音素の力場を作る。
 進行方向にジェイドが立っている。セリスの行動に驚いたように動きを止めた。
「――やぁ!」
 ネビリムの足元に回り込むと、浮遊機関を作動させながら大剣を投げつけるように斬りあげる。
 彼女の剣でふさがれるが、そのまま力ずくで洞窟の中で高い天井の方へと飛び上がった。
「なにっ!?」
「受けよ、無慈悲なる白銀の抱擁」
 目の端にティアがフォースフィールドを発動させたのを確認する。
 上空にネビリムを遠ざければ、皆を集めなくても護れる。
 飛んだまま上体を引き下げ、思い切りネビリムを蹴り飛ばす。天井にたたきつけると譜術の狙いを定めた。
 できれば、この一撃で倒したい。
 セリスの力では難しいかもしれないが、せめて、動けないように。
 彼を傷つけないように、これに賭ける。
 これは驕りではなく、願いだった。



「アブソリュート!」



 時が止まったような洞窟に、セリスの声が響いた。


 子供の頃、ネビリムを死なせてしまったジェイドの顔が思い出された。
 燃え盛る炎の中で、作り出したネビリムを見失ったとき。
 今まで思い出せなかったその顔は、今までない大きな失敗と後悔に染まっていた。
 それは今も変わらないだろう。
(お願い、倒れて)
 自分をにらみつける猛獣のような視線に、負けじと睨み返す。

 二度も彼に、心(ネビリム)を殺させたくない。

(あの人に、殺されないで)

 自分の命を燃やしても、守りたい心(かれ)のために。










       ***











 力を開放して落ちながら、自由にならない四肢に舌打ちする。
 攻撃はまともにネビリムに向かったはずだ。
 土煙の中背中に強い衝撃を感じたと同時に、手から離れた大剣が跳ねる。
「セリス!」
 少し遠くから、ジェイドの声が聞こえた。
 途端、この先を想像して悪寒が走る。
(このまま、倒れてしまうと)
 足手まといでしかない。
「――大丈夫です!目標は!!」
 ジェイドを止めたくて、力を振り絞って体を起こす。
 浮遊機関の作動は止まっていた。これが操れた証なのか、使いつくしてしまったのか。
 地面に触れているはずなのに感覚のない自分の腕が、恐ろしくなった。
 その感情を振り払うようにジェイドを見つめると、彼は立ち止まり天井を向いた。抉れた岩の中にネビリムを確認すると、少し長い詠唱を開始する。
 大きな岩を背に体を起こしたまま、目を閉じて周りに風を纏う彼を見つめる。
 彼に最後を討たせたくなかった。だが、足りなかったようだ。
 最期に討つのは、殺したという記憶を刻み付けるから。
「・・・――がァっ」
 抉れた岩の間からネビリムが落下するとともに、標的修正のためジェイドの詠唱が止まる。
「やって、くれるじゃないの・・・なんなの、あなた・・・」
 起き上がれないようで、四肢を投げ出したまま、顔だけセリスを捕える。
「貴女を、止めたいだけですよ」
「・・・死になさい」
 手を伸ばして音素を集める。口角を上げたまま、セリスはそれを見返した。
「待て」
 ジェイドが落ち着いた口調で制止する。
「惑星譜術をつかってみろ。お前が完全なネビリムだというならできるはずだ」
「ジェイド!それは・・・!」
 ネビリムさえも失敗したという事実を知っているはずなのにけしかけるジェイドを止めようとするが、手のひらを向けられ口をつぐむ。
「私を挑発するつもり?ジェイド」
 第七音素譜術士だからか、軽く手をかざすだけで怪我が治っている。
 セリスは譜術が出せない程度に消耗させられたと信じ、質量を失い手袋が歪みだした右手を背に隠す。
(反動が大きくなっている・・・)
 痛みはないが、目視で音素が薄れているのがわかる。
 制服と同じ色の手袋は膨らみを保っているが、自身の身体として機能しないほど緩くぼやけたものになっている。要は、自分の身体を支えられないほど薄まっており、大気の音素と同化しているようだ。
「やはりレプリカには無理ですか。認めてほしいのに、そんなこともできないのですね」
 ジェイドの挑発に、ネビリムが不敵に笑む。
「後悔するわよ」
 満身創痍の仲間を守るように、ジェイドは譜陣の上に浮かぶネビリムに対峙する。

「母なる大地よ 天の禍い 地の嘆き あらゆる咎を――」

 大気が震え始めたかと思うと、ミシミシっと乾いた音が響いた。
 途端にネビリムが肩を抱くように地に落ちた。
「な、なんだ・・・?」
「ネビリムを安定させている音機関が限界なんだわ」
 ルークが目を見開いていると、ティアが静かに言う。
 のたうち回りながら体にヒビをいれているネビリムに、何もできないまま立ちすくんだ。
「惑星譜術の力に音機関が耐えられないんだ・・・」
 ガイが分析するように言うと、少し寂しそうに口を閉じた。
 あの音機関が壊れれば・・・。
 みんなが結末を予期したとき、ひと際大きな悲鳴が反響する。
「どうして!なぜなの!!完全な存在になったはずなのに!!!」
 大気に溶けているのか、大気が食っているのかわからない状態のまま、ネビリムが立ち上がる。
「私はネビリムになった!」
 自らの消えゆく未来に咆哮した。
「この世に完全な存在などない。そして、あなたも不完全ではない」
 ゆっくり歩み寄りながら、ジェイドがネビリムの前に立つ。
 こうなることを予想していたようだ。
「ただ、私が生み出した、先生の姿をした、あなたということだ」
 抱きしめるように崩れ行く身体を支える。
「今、この世界にはあなたは生き辛いだろう。・・・だから」
「・・・私は・・・なんなの・・・?」
 遠くに見えるネビリムの顔は、怒りでも悲しみでもない表情に見えた。
 レプリカであっても、やはり感情が生まれているのだ。
「・・・あなたも、人間だ」
 消えゆくネビリムの表情は、かつて見た彼女の笑顔のように、優しかった。
 ジェイドの言葉に、ルークも涙をぬぐうように腕を動かした。
 ルークがいる以上、レプリカであることが存在否定にはつながらない。あらたな命として存在できると証明したものがいるのだ。
「・・・そうか、あなたは・・・」
 力いっぱい攻撃したセリスは、消えたレプリカが不憫に思えた。
 彼女はただ『認められたい』その一心だったのだ。あの、安堵にも似た満足そうな顔は、ほかの誰でもない、作り出したジェイドにしかさせられなかった結論。
 そしてジェイドはネビリムを殺そうとしなかった。
(救おうと、したのですね・・・)
 空に昇って行ったネビリムの名残を見つめているジェイドに、セリスは涙が込み上げてきた。
 セリスが守りたいと思った『心』は、自ら護れるだけの強さを持っていた。
 彼もまた、変わったのだ。
「ありがとう、ジェイド・・・あの人を人間だっていってくれて」
 苦しみを分けるような表情のルークに、ジェイドはふっと笑った。
「・・・――さぁ、いきましょうか」
 しばらくするとジェイドがポケットに手を突っ込み、踵を返した。
 いつも通りの彼のようだ。
「ん、あ、ああ・・・」
 激闘を終え武者震いが収まらないらしいルークに、ガイが肩を貸す。
 セリスの元にもティアが駆け寄ってきた。
「セリス、動ける?また、無茶をして・・・」
 咎めるような口調に、涙を見られないようさりげなく髪で顔を隠した。
 見つからないよう袖口でぬぐうと、恐る恐る右手をついた。
(・・・――戻った・・・)
 安堵して立ち上がろうとするが、まだ右足が不安定でゾッとする。
「セリス!大丈夫!?」
 ティアが手を貸そうと差し出すが、ぬっとあらわれたジェイドが前に座り込む。
「・・・また、無茶をして・・・」
 呆れたような涼やかな瞳に、ごまかすように視線を逸らした。
 制服は身体を形作っているから、まだ彼には分らないはずだ。
「・・・行きますよ」
 思ったよりチクチク嫌味を言われないことに驚いて彼を見ると、表情は読めないままだ。
 いつもの調子がでないジェイドに対応に困った。
「・・・すみません、少し、休んで・・・」
「足でもくじいたのですか?」
 どうごまかそうか、と考えた時にはもう抱き上げられていた。
「――う、わぁ!?」
 地面との接点がなくなり、ジェイドの腕の中にいると気づいたとき、思わず声を上げていた。
「さっさと行きますよ」
「ジェイド、降ろしてください!」
 周りのみんなの視線が辛い。初めてではないにしろ、この年でお姫様抱っことはいたたまれない。
 ティアはセリスに気を使うように、その場から離れていった。
「・・・足の調子が、悪いのでしょう」
 ボソッと呟いたジェイドに、口をつぐんだ。
「貴女を置いていくのは、もう、お断りです」
 そう言うと赤い瞳が射抜いてくる。その視線が恥ずかしいのか、くすぐったいのか、怖いのかわからないが、目が合わせられない。早鐘のように鼓動する心音が脳に響く。
「うわ!生きてる!!」
 倒れていたディストの様子を見に行ったルークが、眠ったままの彼を見つけた。
「・・・むにや、けらないでよぉジェイドぉ」
「ほんと・・・ゴキブリ並みの・・・」
 呆れたようなアニスが、ひきつった笑顔を浮かべた。


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